オーソモレキュラーが今までの医学と決定的に違うのは、〇〇に注目していること!

Dr.コバ

こんにちは!

こばやし内科クリニックの小林です。

このブログでは分子整合医学、『オーソモレキュラー』の良いところを、少しずつお話ししてきました。

今回の記事では、具体的にどのようなところが人間の体に役立つのか、詳しくお話ししたいと思います。

今回も当ブログをお読みいただき、ありがとうございます。

これまで、オーソモレキュラーについて、栄養から見たメリットをいくつかお話ししてきました。

その中でも最も大きなメリットは『足りない栄養素を十分な量、補うことができること』です。

でも、こんな疑問が湧いてきませんか?

何のために、栄養素を補うの?

そうですね〜。

何のための栄養素なのか、しっかり説明はしてこなかったかもしれません。

今までの医学の主流であった、西洋医学と対比しながら、解説していきたいと思います。

西洋医学は何をターゲットにしている?

多くの方が日頃から馴染みがあり、お世話になっている『西洋医学』。

現在の日本の医療は『西洋医学』を中心に回っていることは間違いないでしょう。

それでは、西洋医学は何をターゲットにしているのでしょうか?

今では多くの専門科がありますよね。

『内科』の中では循環器内科、消化器内科、呼吸器内科、糖尿病内科、血液内科、腎臓内科、神経内科などなど・・・もっともっと細分化されている病院も数多くあります。

『外科』でも消化器外科、呼吸器外科、心臓血管外科、脳神経外科、整形外科、形成外科などなど。

泌尿器科、耳鼻咽喉科、皮膚科、眼科など、他にも馴染み深い専門科があります。

これらの専門科の名称を見ていただくとわかる通り、『臓器別』の専門科となっています。

つまりほとんどの医師は専門科を標榜していますので、専門の臓器をターゲットにしているわけです。

循環器内科なら、心臓や血管。

消化器内科なら、胃腸や肝臓など。

呼吸器内科は肺や気管支などです。

いわゆる『エキスパート』と呼ばれる医師は、特定の内臓を診ることを非常に得意としているわけです。

日本の医療はどういう体制になっているか

今まで日本の医療現場では、エキスパートと呼ばれる『専門医』を育てることに注力してきました。

ですので、ほとんどの医師は、『専門医』という資格を取ることを第一の目標としています。

専門医という資格を取るためには、それぞれの学会に所属することから始まります。

それから、実績がある病院である程度の期間、研鑽を積むことで、専門医の資格を取ることができる試験を受けることができます。

専門医の資格を持っているかどうかは、医師の給与には直接関連しませんが、新たな就職先を見つける際には重要視されることが多いです。

専門医という資格を持った医師は病院という組織の中において、非常に重宝されます。

病院は臓器別専門医が集まった組織です。

このようなことから、数多くの臓器別専門医が日本の医療を支えてきた経緯があります。

臓器別ではない専門医もある

現在ある専門医の中でも、特殊なものもあります。

臓器別に診ることはしない代わりに、『全人的』に患者さんを診ることを重要視するものもあります。

全人的医療とは、『一つの臓器だけを診るのではなく、心と体を総合的に捉えて患者さんに有益な医療を提供する』ことだと言えます。

全人的医療=『プライマリケア』とも言います。

僕も消化器内科の専門医ではありますが、スタンスとしては『プライマリケア』の考えを重視しています。

プライマリケアを得意とする専門医の資格としては次のようなものがあります。

プライマリケアを得意とする専門医(プライマリケア医)
  1. プライマリケア専門医
  2. 総合内科専門医
  3. 東洋医学専門医
  4. 救急医療専門医

今、僕が持っているのは②の『総合内科専門医』だけなのですが、①の資格に近い『プライマリケア認定医』の資格を持っていたこともありました。

加入する学会が多すぎて金銭的・時間的な負担も大きくなってきたので、やむなく退会しました。

③の東洋医学専門医になることも、実は目指していたのですが、諸々の事情で取ることは断念しました。

今では、②の総合内科専門医を持っていれば、十分かなと感じています。

④の救急医療専門医の先生は、重症から軽症の患者さんに迅速に対応され、医療の第一線で活躍されています。

本当に頭が下がります。

さて、日本としては『専門医』と『プライマリケア医』のどちらが必要なのでしょうか?

専門医とプライマリケア医、どちらが必要?

日本の医療について考える前に、イギリスの医療制度をご紹介したいと思います。

イギリスはプライマリケアが非常に発達しており、国民一人一人に『かかりつけ医』がいるそうです。

健康上の相談はもちろん、急病の際もかかりつけ医に相談することになっているとのことです。

ただ、一つ問題があり、手術や専門的な検査が必要になった際は、専門医を紹介されるのですが、状況によっては「手術を受けられるのが数ヶ月待ち」ということもあるようです。

その問題はさておき、いつでも相談できる『かかりつけ医』がいることは、心強く感じるところもありますよね。

日本でも、建前上はクリニックなどに『かかりつけ医』を見つけることを勧められていますが、実際は自分自身でかかる病院や専門科などを判断せざるを得ない状況にあるかと感じます。

患者さんには「どの科にかかればいいか、わからなかった」と言われることがよくあります。

それだけ、気軽に相談できるクリニックや病院が少ないということでしょう。

日本はこれから、さらなる高齢化社会を迎えます。

手術や専門的な治療を受けられる専門科ももちろん必要ですが、より必要なのは『かかりつけ医』の充実ではないでしょうか。

オーソモレキュラーは専門医か、プライマリケア医か?

さて、あなたはオーソモレキュラーを用いて診療する医師はどのような印象を持ちますか?

オーソモレキュラーは栄養療法を行うものですので、『栄養の専門科』と思われるかもしれないですね。

確かに栄養の勉強はかなりしますので、栄養のことには詳しいでしょう。

かと言って、臓器を専門的に診ることを重視しているわけではありません。

全国にはオーソモレキュラーを看板に掲げる医師は数多くいますが、もともとの専門科はさまざまです。

一般内科、消化器内科、循環器内科、心療内科、精神科、整形外科、形成外科、皮膚科、産婦人科など幅広いです。

オーソモレキュラーを導入している医療機関の一覧

オーソモレキュラーに精通している医師は、もちろん専門科を大事にしていらっしゃると思いますが、専門外の『妊活』に協力したり、『不登校児』を扱ったり、『うつ状態』を診たりされているようです。

つまり、オーソモレキュラーは頭のてっぺんから足の先まで『全身を扱う』ことができる医学なのですね。

オーソモレキュラーのターゲットは?

「それじゃあ、オーソモレキュラーは何をターゲットにしているの?」ということについて説明していきます。

すでにおわかりの方もいらっしゃることでしょう。

オーソモレキュラーは細胞』をターゲットにしています。

西洋医学は『臓器』をターゲットにしていますが、オーソモレキュラーはさらに細かく『細胞』を見ているわけです。

全身には37兆個の細胞が存在します。

細胞が存在する場所によっては、多少の違いはありますが、基本的な構造は一緒です。

つまり、1個の細胞が元気になるようなアプローチを行うことができれば、全身の37兆個の細胞が全部、元気になることが期待できます。

今までの西洋医学的な考えでは、1つの臓器を元気にすることはできても、他の臓器を一緒に元気にすることが困難でした。

例として、「心臓の働きを良くする薬を飲んだら、胃腸の調子が悪くなった」というようなことが、よくあるわけです。

細胞にアプローチする方法

細胞の状態を詳しく知ることは、簡単なようで難しいことです。

西洋医学的な手法を駆使しても、生きた細胞の状態を知ることは困難です。

細胞を生きた状態で採取することは難しいですよね。

採取できたとしても、細胞が元気か元気じゃないか、調べることも難しいでしょう。

オーソモレキュラーでは、血液検査を詳しく解釈することで、『細胞が元気か、元気じゃないか』を調べることができます。

また、判断する材料は血液検査だけではなく、現在起きている症状をお聞きしたり、食生活などの生活習慣などから総合的に判断することで、欠乏している栄養素を推定することができます。

さいごに

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

このブログでは、今までオーソモレキュラーの各論的な話ばかりしてきましたが、オーソモレキュラーの根幹となる真髄を理解していただきたく、今回の記事を書きました。

オーソモレキュラーの手法はいたってシンプルです。

『1つの細胞を元気にするためのアプローチ』をすることです。

このシンプルでかつ、精密な医学が多くの人々を救えると僕は信じています。

オーソモレキュラーはこれからもどんどん進歩していくことが予想され、僕も遅れを取らないように日々、研鑽を続けていこうと考えています。

それではまた。

2件のコメント

「オーソモレキュラー」という言葉をはじめて聞きました。以前、全身を診てもらえるお医者さんがいないのかな?と思っていましたが、全身を診るお医者さんなんですね。こんな病院が沢山あるといいなと思います。

いつもありがとうございます!
専門医も必要ですが、全身を診れる医者がやはり必要かな、と感じています。

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