この前、血を取られた時、すごく痛かったニャ( ̄^ ̄)
あなたは、最近、血液検査を受けましたか?
成人された方のほとんどが受けたことがあるでしょうね。
『健康診断』や『人間ドック』の時に受けることが多いですけど、具合が悪い時に「血液検査をしましょう」と言われることもあるでしょう。
さて、その血液検査の結果を見て、どう思われましたか?
健康な人なら、異常値がないかもしれないですね。
血糖値が高い、コレステロールが高い、尿酸値が高いなどの異常が見られることもあるでしょう。
血液検査の結果がすべて正常だったとして、あなたは100%安心できますか?
安心して良い場合もありますが、次の場合は注意した方がいいと考えます。
- 「疲れやすい」、「だるい」、「寝つきが悪い」など、何かしらの身体的不調がある場合
- 「うつっぽい」、「イライラする」、「不安になる」などの精神的不調がある場合
- 糖質制限やダイエットなどで極端な食事制限をしている場合
- 特に症状はないけど、体重が減ってきている場合
それでは、それぞれについて詳しく説明します。
まずは身体的不調がある場合です。
目次
身体的不調がある場合
「疲れやすい」、「だるい」などの症状がある時、あなたはどう対処していますか?
寝たら良くなる、甘いものを食べたら元気になる、お風呂に入る、エナジードリンクを飲む・・・
いろいろ工夫されているでしょうね。
疲れている次の日の朝、目覚めて疲れた状態だったら、働いたり家事をするのが辛いですよね。
実際は、こういった症状があっても、大したことないと思って、なんとなく対応していませんか?
ほとんどの場合、原因があります!
それは「栄養素の欠乏」です。
栄養素の欠乏なんて信じられないでしょうか?
現代は食べ物が豊富にある『飽食の時代』。
そんな時代に、『栄養の欠乏』なんてありえないと思いますか?
でも、あるんです。栄養をバランスよく摂れている方は、実はそう多くはないのです。
さて、体の調子が悪い時、どんな栄養素の欠乏が考えられると思いますか?
次のような栄養素の欠乏が考えられます。
- タンパク質
- ビタミンB6
- 鉄分
- マグネシウム
- 亜鉛
- ナイアシン
いかがですか?心当たりがありますか?
どれも関係のない栄養素に見えるかもしれませんが、共通点があります。
どれも『肝臓の代謝』と『エネルギーを産生する経路』に関わる栄養素なんです。
肝臓に代謝に関わる栄養素が足りないということは、「肝臓の働きが弱っている」ということになります。
エネルギーを産生する経路に関する栄養素が足りないということは、「元気に活動するためのエネルギーが不足している」ということになります。
これらは、血液検査の詳細な検討で、栄養素の不足具合が推定できます。
それでは次は「精神的不調がある場合」に、どうして詳細な血液検査が必要なのか説明します。
慢性疲労に悩んでいる人は多いと思います。改善の方法は必ずあります。
ぜひ積極的に対処しましょう。
精神的不調がある場合
あなたは最近、「うつ」っぽくなっていませんか?
つい最近ネットニュースで見ましたが、新型コロナウィルス感染症の影響で、全世界で「うつ病」の患者さんがかなり増えているそうです。
そうですよね。「自粛」するように言われて、ずっと自宅にこもっていたら、気晴らしもすることができなくて、うつっぽくなりますよね。
実際、僕もちょっとうつになりかけましたし・・・。
実際、「うつ」ってどのような原因で発症してしまうのでしょうね?
もちろん、大きな精神的ショックで急に発症することもあるでしょう。しかし、誘引がはっきりしない場合もあります。その場合、『脳の栄養不足』が原因である可能性があります。「栄養型うつ」という表現もされています。
脳の栄養不足と言われても、ピンと来ませんよね。
脳の活発な活動に必要な栄養素は次の3つです。
- タンパク質
- ナイアシン
- 葉酸
- ビタミンB6
ここでもやはり、タンパク質ですね。人間の体でタンパク質がいかに重要かがわかります。
脳が健全でいるためには、幸せホルモンとよく形容される「セロトニン」と、快感が得られた時に出る「ドーパミン」が正常に分泌されている必要があります。
上記の栄養素は、脳内のホルモンバランスを保つために不可欠です。
こちらも血液検査の詳細な検討で、栄養素の不足具合が推定できます。
それでは、次は食事制限をしている場合に、どうして詳細な血液検査が必要なのか説明します。
脳の栄養不足は「うつ」や「不安」につながりやすいです。
食事制限をしている場合
あなたは、糖質制限、ファスティングなどで食事制限していませんか?
制限が緩い状態で続けているなら、さほど心配ありませんが、真面目な人ほどストイックな食事制限を行いがちです。
糖質制限で炭水化物をすべてカットしまう場合もあるでしょう。ビタミン・ミネラルが豊富な果物も制限してしまうかもしれません。
その場合、食物繊維が極度に不足したり、ビタミン・ミネラルの類が不足したりすると、徐々に健康に影響が出てきます。
ファスティングについても、今は「オートファジー」といって16時間以上の絶食時間を間欠的に置くというものが流行っているようですね。
オートファジーは、絶食時間の間に古くなった細胞を壊し、生まれ変わらせるというものです。それ自体は人体の素晴らしい神秘的な働きを感じさせるものですよね。
しかし、それに伴って食べる量が減ると、食事から摂取する栄養バランスを保つのが難しくなります。
また、心配されるのは、絶食時間の後に最初に食べる食べ物を、人の体は一生懸命、消化吸収しようと働くため、血糖値が上がったり、中性脂肪が上がったりしやすくなります。
まとめると、次のようになります。
- 食物繊維が不足する
- ビタミン・ミネラルが不足する
- 栄養バランスが崩れる
- 血糖や脂質の数値の変動が大きくなる
このような心配がありますので、一般的な血液検査が正常でも、より詳しい検討が必要になります。
自己流で食事制限やダイエットをしていると思わぬ落とし穴があることがありますので、なるべく信頼が置ける人に指導を受けるようにしてくださいね。
特に症状はないけど、体重が減ってきている場合
体は元気で、特にダイエットもしていないのに、体重が減っていくことがありませんか?
この場合は、まずは西洋医学的に病気が隠れていないか、調べてもらう必要があるでしょう。体重が減少する病気はいっぱいあります。ここでは割愛しますが・・・。
西洋医学的に異常ないと仮定した場合、次のような状況が考えられます。
- ストレスや疲労で、エネルギー消費が激しい
- 胃腸が弱い方で、栄養の吸収力が弱い
- 運動不足で筋力量が減っている
このような場合も、何らかの栄養素の不足を来している場合がありますので、詳細な血液検査の検討が必要でしょう。
ここまで血液検査が正常でも、心配すべき状況についてお話ししてきました。
次に、血液検査のより突っ込んだ読み方についてお話しします。
ボクは食べすぎて太ったから、ご飯を減らされたニャ。
そもそも正常値って何?
そもそも、血液検査の正常値ってどのようにして決まっているのでしょうか?
実は、健康な人の検査値を集めて、そのうち95%の人が入っている範囲の数値を『正常値』としているのですね。
右の図を見てください。
95%の集団に入っていれば、「正常値」となりますが、グラフでいう左右のどちらかに少しでも外れてしまうと、「異常値」となってしまいます。
要するに、平均的な集団から外れてしまうと、「異常」と見なされてしまうということですね。
これは一見、合理的に見えますが、人それぞれの「個性」や「体質」は考慮しない見方とも言えます。
正常値の範囲であっても、高い方と低い方ではかなりの差がありますよね。
ですので、個人個人の症状や状態に合った「見方」というものが重要となってくるわけです。
これからの時代、医療も「テーラーメード」を重視するべきなのではないでしょうか。
それでは、個人を重視した見方をするには、どうしたらよいかを次でお話しします。
従来の検査値の見方に囚われず、異常にアプローチするためには
せっかく痛い思いをして、血液検査を受けたのですから、「異常ないですね」じゃもったいないですよね。
少しでも今後のためになるプラスになる道標を得たいですよね!
今まで元気だったとしても、より仕事や遊びのパフォーマンスが上がる方法を知りたくありませんか?
そのために必要なアプローチが「オーソモレキュラー(分子整合医学)」という医学の考え方です。
今までの西洋医学による考え方では、血液検査は異常値が重視されており、正常値の上下の範囲内についてはほとんど論じられることはありませんでした。
実際、僕もオーソモレキュラーの考え方を知るまでは、自分の血液検査の結果はほとんど正常だと信じていました。
オーソモレキュラーの先生に、異常を指摘された時は、愕然としました。
「僕は今まで何を見ていたんだろう・・・」と反省すらしました。
しかし、同時に感動しました。
「見方を変えれば、こんなにも見えてくるものがあるなんて!」と思いました。
あなたも、オーソモレキュラーによる血液検査解析を受けてみて、自分の強み、弱みをよりはっきりさせてみませんか?
新たな自分を開拓できるかもしれないです。
今回は、オーソモレキュラーの基本的な考え方について、ざっと説明しました。また、機会を見て詳しくお話ししたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
こんにちは!こばやし内科クリニックのDr.コバです。今日は血液検査について、深く掘り下げて結果を見る意義について説明します。