尿酸値が高いと言われた!でも本当に『尿酸』て悪者なの?尿酸値を下げる根本的な方法!

ある診察室での光景。

医者

あなたは尿酸値が7.8mg/dl(正常7.0mg/dl以下)と、尿酸値が高いようですね。このままだと痛風になるかもしれませんよ。

患者

え?尿酸ですか?

毎日、ビール飲んで、おつまみ食べているからですかね。

医者

プリン体を摂り過ぎているようですね。

ビールをやめて、他のお酒に変えてくださいね。

また、魚、肉類のおつまみも控えた方がよいです。

患者

はい、わかりました。

2ヶ月後の様子。

医者

うーん、尿酸値が7.7mg/dlで、あまり変わっていないですねえ。

患者

言われたことは、しっかり守りました。お酒は焼酎に変えました。

医者

そうなんですね。

尿酸値が上がりやすい体質なのかもしれないですね。

それなら、薬を飲んだ方がいいですね。

患者

(薬かあ・・・)わかりました。


Dr.コバ

病院ではこのような、やりとりが日常茶飯事で繰り広げられています。

あなたや、あなたの家族でご経験はありませんか?

この医者の一連の対応は、実はあまり正しいとは言えません。

理由がわからないと、つい体質のせいにしてしまいます。

僕も以前はそうでした。

このように、尿酸は今だに多くの人に誤解されている物質です。

そして、尿酸は決して悪者ではないんです

この記事で、そのことがよくご理解いただけると思います。

ウーパー

へえ〜、そうなんだ〜、尿酸は悪者じゃないんだ〜

Dr.コバ

ウーパー君の初登場です!

健康診断などで『尿酸が高いですね』って言われたことありませんか?

女性はあまりなくて、男性はよくあると思います。

そして、『プリン体』を避けましょうとか、アルコールを控えましょうとか言われたことでしょう。

尿酸って、そもそも何者なんでしょうね?

『尿酸値が高い』=『痛風』というイメージが染み付いてしまって、すっかり悪者扱いされるようになりました。

ですが、尿酸のことを良く知ると、体に悪さをするために存在しているわけではなさそうです。

そして、『尿酸値が低い』方が、よほど体に害が大きいのです。

この記事では僕は尿酸の本質に迫ります。

お読みくださったあなたには、「実は人間にとって、すごく役に立っている物質なんだ!」と見直していただきたいと思います。

読み終わる頃には尿酸に対して『感謝の気持ち』が湧いてくることでしょう。

この記事で書いていることは、おそらく他のサイトではほとんど触れられていない内容だと思います。

それでは、最後までお付き合いくださいませ。

尿酸は体内でどのようにして作られるか

まずは尿酸が作られる仕組みを解説していきます。

尿酸はご存知の通り、プリン体から作られます。

そして食べ物から作られるプリン体と、体内で合成されるプリン体があります。

食べ物からは2-3割、体内で合成されるのは7-8割と言われています。

食べ物から入るプリン体は意外と少ないのですね。

まずは食べ物から摂取されるプリン体についてお話ししていきます。

食べ物から摂取されるプリン体

プリン体を多く含む食べ物はこちらになります。

プリン体を多く含む食べ物
  • レバー
  • 魚(特に干物)
  • 白子

これらは高タンパクな食べ物でもあります。

しかし、これらを食べたら本当に尿酸が上がるのでしょうか?

僕の経験として、尿酸値の高い人に肉・魚を控えてもらっても、尿酸値が下がった試しはありません

どうも食べ物から摂取されるプリン体が尿酸値を上げることは、ほとんどなさそうな印象です。

やはり体内で作られるプリン体が鍵となっていると思われます。

体内でどのようにプリン体から尿酸が作られるか

体の中の細胞は一定のサイクルで入れ替わっています。特に腸の細胞は2-3日という、かなりのスピードで入れ替わります。

その過程で、古くなった細胞は分解されて、細胞内に存在していたDNAも分解されます。

DNAは遺伝情報が詰まっている核酸の一つです。

このDNAが代謝されて生じるのがプリン体ですね。

プリン体はさらにキサンチンとなり、最終的には尿酸へと変えられます。

プリン体の他からも尿酸は作られる

尿酸はプリン体のみから作られる、と一昔前までは考えられましたが、それは誤りだということがわかりました。

よくある話としては、「尿酸値が高いから、ビールをやめて焼酎にした」けれども、「尿酸値はちっとも下がらない」ということです。

このことから、ビールのプリン体が尿酸値を上げているわけではなくて、アルコールそのものが尿酸を上げる作用を持っているということになります。

ポリフェノールやレスベラトロールを摂取するために赤ワインを飲んでいる方も、同様です。尿酸値が上がるリスクがあります。

また、意外な話としては、果物に含まれる『果糖』も尿酸を上げてしまいます

果糖が代謝される過程で、尿酸が多く生成されるのです。

さらに良くないのは、清涼飲料水に含まれる『ブドウ糖果糖液糖』のような異性化糖です。

最初から果糖の状態で飲み物に含まれますので、飲むとすぐに体内に吸収されてしまいます。

スポーツドリンクを多飲すると、尿酸が上がることがあります。

思い返せば、大学時代にソフトテニスをやっていた時に、1.5Lのスポーツドリンクをガブ飲みしていました。

その時に学生実習で血液検査をしたら、尿酸値が基準値の7.0mg/dlを超えてしまっていたのです。

当時は尿酸が上がっている理由を僕も教官もよくわからなかった記憶があります。

なお、ブドウ糖果糖液糖は調味料にも含まれことよくがあるので、ラベルをよく見て買いましょうね。

尿酸値を上げるもの
  • 種類を問わずアルコール全般
  • 果物の摂り過ぎ
  • 清涼飲料水
  • 調味料の一部
  • 肉、魚は気にしなくていい!

実は運動でも尿酸値が上がる?

みんな健康にいいと思って、運動しますよね。

その運動が尿酸を上げてしまう原因になってしまうとしたら?

そうなんです。

アスリートやボディビルダー、筋トレを日課にしている方などは、尿酸値が上がるリスクが高いです。

なぜなら、『乳酸』が増えやすいからです。

激しい運動をすると、筋肉に乳酸がたまりますね。

乳酸が血液中に増えると、尿酸が腎臓で排泄しづらくなってしまうのです。

そのことによって、尿酸値が増えてしまいます。

夏に運動を頑張って、痛風になってしまう人が多いです。

かと言って、運動すべてが悪いわけではありません。

ウォーキングなどの軽めの運動はストレス解消になり、尿酸値を下げる効果があります。

運動も適度が一番、ということですね。

そもそも尿酸って何のためにある?

今までは尿酸の負の側面を重点的にお話ししてきましたが、これからはギアチェンジしていきたいと思います。

実は、尿酸は人間の体を守ってくれているのです。

え?そんなわけないじゃない?って思いますよね。

進化の過程で、人類は、尿酸をさらに分解する酵素をわざと無くしたのです。

他の哺乳類は自分でビタミンCを合成できるのですが、人類にはそれができなかった。そのため、尿酸を武器にすることにしたわけです。

尿酸は強力な『抗酸化物質』なのです。

つまり、人間の体を常に攻撃しようとする酸化ストレスをブロックしてくれる存在なんですね。

酸化ストレスとは、老化、病気、癌のもとになる活性酸素が必要以上に生じてしまった状態のことを指します。

酸化ストレスは主に、次のようなことで生じます。

酸化ストレスの原因
  • 飲酒
  • 喫煙
  • 紫外線
  • 精神的・肉体的ストレス
  • 酸化した食物(油など)
  • 添加物や農薬など
  • 重金属

アルコールを飲むと尿酸値が上がるのは、アルコールによる酸化ストレスを最小限にするためなのですね。

逆に、尿酸値が低いと、酸化ストレスに弱い状態となってしまいます

そうすると、老化が早くなり、病気にもなりやすくなり、悪いことばかり起きてしまいます。

特に若い女性の方で尿酸値が低いことが多いです。

そのような方は、むしろ尿酸を上げるための栄養摂取を心がける必要があります。

十分なタンパク質とナイアシンを初めとしたビタミンB群が最も重要と考えられます。

尿酸値を下げるためには酸化ストレスを取り除く!

尿酸があなたの体のために、すごく頑張ってくれていることはご理解いただけましたでしょうか。

でも尿酸に頼りすぎていては、尿酸が溢れてしまい、痛風発作を起こしたり、腎臓を悪くしたり、結石を作ったりしてしまいます

痛風発作も尿管結石も、ものすごく痛いです。

不幸にも経験された方はよくおわかりのことでしょう。

そうならないうちに、酸化ストレスを一刻も早く取り除くことを考えましょう。

それでは、酸化ストレスの原因を取り除く対策について解説いきます。

飲酒を控える

飲酒については、前述しました通り、ビールを控えるだけではダメなんですね。

アルコールはやはり一種の毒ですので、人間の体にはストレスを与えます。

特にお酒を飲むと赤くなりやすい人は、アルコールを解毒する作用が弱い体質ですので、酸化ストレスも大きくなりやすいです。

体にダメージを与えない範囲で、お酒とうまく付き合えるようにしたいものですね。

タバコを吸わない

タバコを吸うと、体に活性酸素が生じやすくなります。

そして、活性酸素をなんとか抑えようと体内のビタミンCが頑張ってくれます。

あとは尿酸も頑張ってくれます。

それでも足りなければ、酸化ストレスがどんどん蓄積します。

タバコの害で病気になることは、あなたもよく知るところですよね。

紫外線との付き合い方

紫外線は女性の敵と言われていますよね。

そうですね。紫外線がもとでシミなど皮膚トラブルが起きやすくなってしまいますね。

紫外線によりシミができるのも、皮膚に酸化ストレスが蓄積した結果です。

抗酸化物質であるビタミンCを日頃から多めに摂っておけば、軽減できるわけです。

紫外線は人間の体にビタミンDを合成させてくれる、大事なエネルギー源です。

体全体のことを考えれば、日光に全く当たらないということは、あまり得策とは言えないと思うところです。

ストレスマネージメント

日常的な『ストレス』はどんな方でもゼロにすることは難しいですよね。

実は、ストレスが尿酸を上げてしまう大きな原因になっていると言われてきています。

ストレスはあちこちで蓄積しますね。

  • 仕事で疲れてストレスがたまる。
  • 職場の人間関係で疲れてストレスがたまる。
  • 家庭で夫婦関係のことで疲れてストレスがたまる。
  • 睡眠不足でストレスがたまる。
  • SNSを頑張り過ぎてストレスがたまる。

これらのストレスを一つずつ緩和することが大事ですよね。

何より、『頑張り過ぎない』ことが一番大事だと思います。

自分らしくマイペースが一番、ストレスが少ないです。

あとは、栄養補給してストレスに負けない体になることもオススメです。

↓こちらの記事でストレスに強くなる方法がわかります。

激しい運動を避ける

前述しました通り、ウェイトトレーニングやマラソンなど激しい運動をされる方は、酸化ストレスが蓄積し、尿酸値が上がりやすくなります。

つい最近、アメリカの有名なボディビルダーが急逝されたことも、酸化ストレスに関連があるかもしれません。

運動についても『気持ちがいい』と思える程度のものが一番体にいいのでしょうね。

酸化した食べ物を避ける

食べ物が酸化しちゃうの?って思われますか?

もっとも酸化しやすいものが『油』です。

世の中には酸化した油があふれています。

あなたの身の回りにも、きっとたくさんあります。

ゼロにすることはなかなか難しいですが、酸化した油を口に入れることを極力避けることも重要です。

薬、添加物、農薬など

これらはほとんどが無機物質であり、人間の体に直接ダメージを与えやすいものです。

医薬品も体に酸化ストレスを与える可能性があります。

人間にとって未知な物質を体内に入れてしまうことが、大きなストレスになることは想像ができることでしょう。

重金属の害も忘れない

重金属の害は普段、ほとんど気にすることがないかもしれません。

マグロなどの大きな魚は、食物連鎖の影響で、体内に水銀をたくさん蓄積してしまいます。

歯科で使われる金属も、昔は水銀がよく使われました。

たばこの中にもヒ素が含まれています。

また海水や土壌の中には鉛が少なからず含まれており、体内にも少しずつ蓄積していると言われています。

これらが知らず知らずのうちに体内に蓄積することで、体に酸化ストレスを与え、体調に徐々に影響していきます。

『重金属』の害も頭の片隅に常に置いておきましょうね。

重金属の蓄積は『毛髪ミネラル検査』により調べることができます。

抗酸化作用のある食べ物を摂る

ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなど、抗酸化作用のある栄養素を含む食べ物を摂取することでも、酸化ストレスは緩和できます。

これらのサプリメントを利用するのも有効です。

しっかり水を飲む

水を飲むことで酸化ストレスを直接、緩和できるわけではありませんが、尿酸の排泄をよくすることが期待できます。

水素水は活性酸素を抑制すると言われていますので、酸化ストレスを軽減させる効果があるかもしれません。

腸内環境を整える

こちらも酸化ストレスからは少し外れた話になります。

尿酸はほとんどが腎臓で排泄されると言われていましたが、最近の研究で3割程度は腸から排泄されるということがわかってきたそうです。

腸内環境が悪いと、尿酸が排泄されにくくなるため、尿酸値が上がる可能性があります。

まとめ

尿酸は決して体を痛めつけるために存在しているわけではなく、『酸化ストレス』から体を守るために働いてくれているものだということを、しっかり理解していただけましたでしょうか。

しかし体が強い『酸化ストレス』にさらされた状態が続くと、尿酸が溢れてしまい、痛風発作を引き起こしてしまうことになります。

そうならないためには、日頃から『酸化ストレス』を取り除いたり、軽減したりする工夫がとても大切だということです。

酸化ストレスを最小限にすることが、尿酸値を下げるだけでなく、アンチエイジングにつながり、よりよい人生につながることは間違いないでしょう。

それではまた。

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