糖尿病じゃなくても血糖値を安定させなくてはいけないの??そのワケを解説します。

Dr.コバ

こんにちは!

こばやしナ内科クリニックの小林です。

今回は、糖尿病を患っている方はもちろん、糖尿病じゃない方でも誰もが気をつけるべき、血糖値のお話です。

血糖値が上下することにより身体の意外なところまで影響があることを理解していただけると幸いです。

ヒョウ丸

オレは甘いものはキライだ!

ピリッと辛い昆虫が好みだぜ!!

あなたは自分は糖尿病じゃないから、甘いものや炭水化物は気にせず、食べていいんだ〜って思っていませんか?

もし、そう思っていらっしゃるのなら、一刻も早く意識を変えていきましょう!

なぜ、血糖値をそこまで気にしなくてはいけないのでしょうか?

そして、糖尿病じゃなくても、血糖値はそこまで変動するものなのでしょうか?

この記事を最後までお読みいただければ、その理由がよくわかると思います。

特に、次のような症状がある方は、必見です。

  • 食べた後に異常に眠くなる人
  • 空腹感が強く我慢できるなくなる人
  • 1日の中でもイライラしたり、不安になったり気分の浮き沈みが大きい人
  • 寝ている時に歯ぎしりをする人
  • 寝汗をかきやすい人
  • 悪夢を見やすい人
  • 朝起きた時に、頭痛や肩こりがある人

血糖値って、そもそもいったい何?

血糖値って一体なんなんでしょうね?

糖尿病を患っていない限り、普段、血糖値を気にしている人は少ないでしょうね。

そして、血糖値を測定する機器を持っていなければ、測ることもできません。

ほとんどの人は、健康診断や人間ドックで行われる血液検査ぐらいでしか測らないでしょうね。

血糖値とは、血液中にある「ブドウ糖(=グルコース)」の量のことです。

血糖値=血液中のブドウ糖(グルコース)の量(mg/dl)

dlとはデシリットルのことで、100mlのことですね!

健康な人は、空腹時がおおむね90mg/dlぐらい、食後が高くても140mg/dl程度です。

健診などで行われる血液検査は一般的に空腹時に行われますので、90mg/dl前後に出ることが多いです。

あなたも、過去の検査結果がもしあれば、見直してみてください!!

100mg/dl以上あると、「要注意」と言われることが多いでしょう。

空腹時の血糖値が80mg/dl台であっても、健診の時には医師には何も言われないことが多いと思います。

一般的に医師は「血糖が高いこと」の方を気にしますが、低い方はあまり気にしない傾向にあります。

この『低血糖』が実は、いろいろな危険性をはらんでいることは、あまり知られていません

低血糖といえば、血糖値を下げる飲み薬や、インスリンという注射を使っている人だけに起こると思っている人もいるかもしれません。

一見、健康そうに見える人にも起こるから、怖いのですね。

それでは次章では、血糖値についてもう少し突っ込んだ話をしていきます。

どうして、血糖値が上がったり下がったりするの?

血糖値ってどうして上下するのでしょうね。

すでに、ほとんどの方がおわかりかと思いますが、簡単に言えば人が『ブドウ糖を含む食べ物を食べるから』ですね。

ブドウ糖を含むものは、「糖質」と呼ばれ、多くの食べ物や飲み物に含まれます。

糖質を多く含む食べ物・飲み物
  • お米、パン、麺類など
  • 果物
  • いも類
  • お菓子
  • 人参や大根などの根菜類(個人的には根菜類の糖質は気にしなくてよい思っています)
  • ジュースやスポーツドリンクなどの清涼飲料水
  • 砂糖・ハチミツなどの調味料

お米、パン、麺類・・・

普段の食卓に欠かせない食べ物ばかりですね。

お子さんが好きなお菓子も、ほとんどのものが小麦やイモをベースにして作られていますよね。

スポーツドリンクにも添加物である「果糖ブドウ糖液糖」もしくは「ブドウ糖果糖液糖」が多く含まれています。

ですが、これらはすべて、『血糖値』に影響する食べ物なんですね。

ヒョウ丸

じゃあ、食べなきゃいいだろうよ!

Dr.コバ

ヒョウ丸君、それは極論ですね(汗)。

確かに世の中には糖質を完全にオフにして生きている人もいます。

糖質完全オフの食事のことを「ケトジェニックダイエット」と言います。

しかし、そのように生きるためには、かなりの知識と覚悟と鍛錬が必要となります。

僕はここでは「糖質」とうまく付き合う方法を、提案したいと考えます。

そんなわけで、「ケトジェニックダイエット」に挑戦したい!という猛者の方以外は、「糖質とうまく付き合う方法」を知ることが大事だと考えます。

糖尿病でもないのに、そんなに血糖値を気にしなきゃいけないの?って思われる方。

そうですね、血糖値を安定化させることの重要性がまだよくわからないですよね。

ここで、体がどのようにして血糖値を安定化させているかをお話しします。

人間の体はどのように血糖値を調節している?

血糖値を上げるホルモンと下げるホルモン

血糖値は体のあちこちからホルモンが分泌されることによって、調節されています。

まずは血糖値を上げるホルモンを見てみましょう。

血糖値を上げる主なホルモン
  • カテコラミン(ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリン)
  • コルチゾール(副腎皮質ホルモン)
  • グルカゴン
  • 成長ホルモン
  • 甲状腺ホルモン

それでは、下げるホルモンは?

血糖値を下げるホルモン
  • インスリン

あれ?血糖値を下げるホルモンは1個だけなの?って思いますよね。

はい、そうなんです。1つだけなんです。

なぜ血糖値を下げるホルモンは1つしかないんでしょうか?

それはヒトの進化の歴史をさかのぼるとよくわかります。

血糖値を下げるホルモンはなぜ1つしかないの?

ヒトが誕生したのは約20万年前と言われています。

その頃から、約1万年前に稲作などの農耕が始まるまでは、動物の狩猟や果物・種実類などの採集をすることで食べ物を得ていました。

当時の平均寿命が20~30歳と言われていることからも、毎日の食べ物を確保することは決して容易ではなかったと想像されます。

つまり、ヒトは進化の歴史の中では、ほとんどが「飢餓」との戦いであったと言えます。

ヒトは食べ物がなくても、ある程度の期間生きられるように、体を進化させました。

つまり、ヒトは『飢餓には強い』のですね。

農耕が始まり米が栽培できるようになると、集落によっては、米を貯蔵できるぐらい豊富に作れるようになりました。

おそらく、平等に分配されていたのではなく、身分の高い人が多く貯蔵していたのではないかと推測されます。

そんな人がお米をたくさん食べると血糖値が上がり、インスリンの作用で太りやすくなります。

いわゆる、「私腹を肥やす」というヤツですね(笑)。

メタボになってしまうと糖尿病や高血圧になり、早死にしてしまいます。

ここで言いたいことは、ヒトの体は「飽食(食べ物が豊富にあること)」に対して、十分な防御方法がないわけですね。

飽食に対する、唯一の武器は血糖を下げるホルモン、『インスリン』だけなんです。

1万年という長いようで短い期間では、ヒトの遺伝子を大きく変化させることは難しいそうです。

僕自身が実践し、クリニックでもお勧めしている「ファスティング」は、時々行うことで、ヒト本来の「ハングリー精神」を呼び覚まし、体を活性化させてくれるのですね。

人間は「飢餓」には強いが、「飽食」には弱くできている。

血糖値の乱れはなぜ起きるのか?

ここまでの解説で、血糖値が下げるホルモンが1つだけしかないため、血糖値は油断すると高くなりやすい、ということは理解していただけたと思います。

しかし、血糖値が少々高くなっただけでは、普通は具合が悪くはなりません。

その後に血糖値が下がりすぎるから、調子が悪くなるのですね。

これはストレス過多の状態、つまり自律神経の「交感神経」が活発になり過ぎている時になりやすいです。

このことは、前回の記事を見返していただくと、より理解が深まります。

交感神経が活発だと、血糖値を上げるカテコラミンが過剰に出てしまいます。そうすると、血糖値は瞬間的に200以上になったりします。

ですが、体内のインスリンが察知し、すぐに血糖値を下げようとします。

普通は90以下には下がらないのですが、70~80台はザラで、60以下になったりもします。

そうすると、今度は血糖値を上げるカテコラミンが過剰に出てしまいます。

下のグラフのようなイメージです。

短時間で血糖値が上がり下がりすることを『血糖値スパイク』や『血糖値の乱高下』と言います。

どうですか?

このグラフを見ただけで、体がおかしくなっている様子がわかるのではないでしょうか?

特に低血糖になった時はブドウ糖が急に欲しくなるので、強い空腹感を感じたり、イライラしたり、不安になったりします。冷や汗や動悸を起こす方もいるでしょう。

実は僕が体調を崩した時も、血糖値スパイクを起こしていました。

食前の血糖値は80いくかいかないか。

食後の血糖値は30分後ぐらいには150以上になるのですが、1時間後には80以下になってしまいました。

自律神経やホルモンの乱れは、血糖値にかなりの悪影響を起こすのですね。

慢性的に血糖値スパイクを起こしている方は、もしかしたら精神科や心療内科に受診しようと思うほどの、メンタルの不調を来しているかもしれません。

血糖値が気になる方、おうちでもチェックすることができます。

『フリースタイルリブレ』というものです。

僕が調子悪い時に使っていましたが、不要となったため、メルカリで売りました(汗)。

↓僕が実際に使っていたものがこちらです。

血液を取らなくても、痛みなく、いつでも何回でも血糖値が測れるスグレモノです。

気になる方は、Amazon・楽天でも買えます。

血糖値を安定させるにはどうしたらよいか?

今回の記事の肝の部分になります。

血糖値を安定させるためにはどうすればよいでしょうか?

方法はいくつもあります。

まずは一通り挙げてみましょう。

血糖値を安定させる方法
  • 精製された糖質を控える(白米、白パン、白い麺類、白砂糖など)
  • 糖質を食べる前に野菜などの食物繊維を摂る
  • 糖分を含んだ飲み物を飲まない
  • 自律神経を安定させる栄養を摂取する
  • レジスタントスターチを利用する

それぞれについて解説していきます。

精製された糖質を控える

白米は玄米の外側を削ったもので、小麦粉は小麦の白い部分だけを残したものですね。

外側にはビタミンやミネラルなどが豊富なのですが、削られてしまい、中身の糖質がむきだしになってしまっています。

むきだしの糖分が胃腸の中に入ると、容易に消化され、すぐに吸収されてしまいますね

これが血糖値を急上昇させる原因となってしまいます。

やはり、自然の摂理に反した食べ物は、体に変調を来しやすいのですね。

どうしても白米を食べたい時は、もち麦や五穀米を混ぜたりするといいと思います。

ですが、家で作る時は材料を揃えればなんとかなりますが、外食ではライスが白米に限られていたり、売っているパンも全粒粉のパンが無かったりしますよね。

そんな時は次章を参考にしましょう。

野菜などの食物繊維を先に食べる

「食べるもの順ダイエット」というのが少し前に流行りましたよね。

これは実に理にかなっています。

ダイエットだけではなく、血糖値を安定させる効果が期待できます。

野菜やキノコ、海藻などの食物繊維を豊富に含む食べ物は、胃の中に入ってから消化に時間がかかります。

15分とか、ある程度の時間が経った後にご飯などの糖質を食べると、血糖値の上昇がある程度抑えられます。

できれば、ご飯は最後にして、お肉やお魚などの主菜を先に食べた方が、より血糖値の上昇が抑えられます。

糖分を含んだ飲み物を飲まない

「ペットボトル症候群」って聞いたことありますか?

夏の暑いときなどに、スポーツドリンクをガブガブ飲んでしまうことがありますよね。

そんな時、血糖値がかなり上がっている恐れがあります。

僕も昔、ソフトテニスをやっていた時にスポーツドリンクをがぶ飲みしていました。

その時は、検査まではしませんでしたが、随分と体調が悪かった記憶があります。

ジュースやスポーツドリンクなどの清涼飲料水には、果物由来のブドウ糖・果糖や「果糖ブドウ糖液糖」、「ブドウ糖果糖液糖」などの異性化糖が含まれていることが多いです。

ブドウ糖・果糖を飲み物で摂るともちろん血糖値が上がりやすくなりますが、異性化糖はもっと血糖値が上がりやすくなると言われています。

異性化糖と呼ばれるぐらいですから、自然界には存在しない糖です。体にいいことは一つもありません。

自販機で売っている飲み物を買う時は、よく考えて買いましょうね。

僕が自販機で買うのは、ミネラルウォーター、爽健美茶、ブラックコーヒーが多いです。

たまに糖分を含むものも飲んじゃいます。

自律神経を安定させる栄養を摂取する

自律神経を安定させる栄養についてはこちらの記事をご覧ください。

レジスタントスターチを利用する

「レジスタントスターチ」、聞き慣れない方が多いでしょうか?

糖質はほとんどがデンプンを含んでいますが、それを冷やすと、「レジスタントスターチ」という成分がグンと増えるのです。

「レジスタントスターチ」とは消化しにくいデンプンのことで、腸内では食物繊維として働きます。

血糖値を上がりにくくしたり、便通を良くする作用が期待できます。

例えば、ご飯なら炊き立てのものを、1時間ほど常温で放置すれば、レジスタントスターチが増えるそうです。

炭水化物好きにはうってつけかも??

さいごに

血糖値を安定させることの大切さ、安定させる方法をしっかりご理解いただけましたでしょうか?

ご不明な点がありましたら、コメントいただけると嬉しいです!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

それではまた。

寝ている時に歯ぎしりをする、悪夢を見る、寝汗が出るなどは夜間低血糖の可能性があります。そちらについては、いずれ記事にしたいと思います。

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