整形外科領域の病気を早く治す方法〜栄養に注目すれば、すっきり良くなる!

Dr.コバ

こんにちは!

こばやし内科クリニックの小林です。

誰もが一生に一度は経験がありそうな、骨折・捻挫などの整形外科領域の病気

人によって、治りがいいとか悪いなどがあるかと思います。

中には「なかなか治らない・・・困った」という方もいらっしゃるでしょう。

そのような病気の『治力』はどのようにして高めることができるのでしょうか?

ロッシー

ワシも甲羅をどんどん固くして丈夫にしたいワイ。

あなたは、骨折や捻挫など、整形外科領域の病気になったことがありますか?

きっと、誰しも一生に一度以上は経験があるのではないでしょうか?

僕もいろいろなことで、整形外科には何度もお世話になりました。

僕は子供の頃から虚弱体質で、骨ももろかったようです。

この記事では自分の体験談も交えながら、整形外科領域の病気でも『栄養』が大事であることをお話していきたいと思います。

栄養の中でも『コラーゲン』がとても大切であることを、まずは理解しておきましょう。

まずは骨と筋肉を知ろう

整形外科的な病気は、主に骨・関節・筋肉に起きます。

今回は骨と筋肉の構造について、理解しましょう。

骨の構造

こちらは大腿骨という、ふとももの骨の構造を示しています。

その中でも、骨の中を作る『海綿骨』は年齢と共にもろくなり、ひどくなると『骨粗鬆症(こつそしょうしょう)』という状態になり、非常に骨折しやすい状態になります。

海綿骨の主成分はリン酸カルシウムであり、食物中の栄養素ではカルシウムとリンが大事な役目を果たします。

それに対して、『皮質骨』は骨の外側を形作ります。

皮質骨は強度を保つのに、コラーゲンが大事な役割を果たしています。

骨の構造は鉄筋コンクリートをイメージするとわかりやすいです。

この写真は鉄筋コンクリートの一部です。

骨に当てはめると、鉄筋が『コラーゲン』に該当し、コンクリート部分が『リン酸カルシウム』となります。

骨の強度を作るのはコラーゲンが3割、リン酸カルシウムが7割だと言われています。

コンクリート部分がもろくなっても、骨が弱くなりますが、鉄骨部分がもろくなっても、骨は折れやすくなってしまいますね。

骨を頑丈にするには、『コラーゲン』、『リン酸カルシウム』が重要です。

リン酸カルシウムを増やすためには『ビタミンD』が必須です。ビタミンDについての記事はこちらをご覧ください。

筋肉の構造

皮膚から筋肉にかけての構造は上の図のようになっています。

「筋肉が痛い」と感じた時、『筋肉そのものが痛い』場合と、『筋膜が傷んでいる』場合の2つが考えられます。

筋肉が痛い場合は、激しい運動をした後の筋肉の疲労や損傷から来る、いわゆる『筋肉痛』であったり、何らかの病気で筋肉に炎症が起きる『筋炎』の2つが主に考えられます。

筋膜が痛む場合は、意外と多く見られます。

「肩こり」や「腰痛」は筋膜と筋肉が癒着(ゆちゃく:くっつくこと)することで起きるとも言われています。

『筋膜リリース』と言われる治療が最近、よく行われていますが、これは癒着した筋肉と筋膜を剥がすものです。

筋肉はミオシン・アクチンと呼ばれるタンパク質でできており、筋膜はコラーゲンとエラスチンと呼ばれるタンパク質が多く含まれています。

いずれも、タンパク質が重要であることがわかりますね。

筋膜とっても、骨と同じくコラーゲンが大事なんですね。

よく歩いたり運動する人の足の裏が痛くなる、『足底筋膜炎』という病気もあります。

僕が整形外科でお世話になった3つの病気

僕は整形外科的な病気を3回、経験したことがあります。

次の3つです。

僕が経験した整形外科的な病気
  • 手首の骨折
  • 下腿(ふくらはぎ)の肉離れ
  • オスグッド病

手首の骨折

僕は小学生の時に手首の骨折をしました。

その時は医学的知識なんてありませんでしたので、骨のどこが折れていたかはわかりませんでしたし、覚えてもいません。

おそらく、『手根骨』という手首に8個ある小さな骨のどれかが折れたのではないかと思います。

骨折のことは詳しくは覚えていませんが、どのように怪我をしたのかは、はっきり覚えています。

なぜなら、かなり恥ずかしい状況で受傷したからです(笑)。

それは小学校のレクレーションでソフトボールをやっている時に起きました。

僕が内野の守備についている時に、相手チームのバッターが内野フライを打ち上げ、僕はその打球をバックしながら追いかけました。

かなり無理に追いかけてしまい、勢い余って後ろに転んで、手をついてしまいました。

その時から激痛が走りました・・・(泣)

そのボールは僕の後ろで外野を守っていた女子が「ひょいっ」と、難なくキャッチしました。

その女子は運動神経抜群で頭も良くて、僕がちょっと気になっていた子でした。

僕はとっても恥ずかしく情けない思いをして、手首を痛がっていた記憶があります(笑)。

その日に整形外科に連れて行かれ、ひびが入っている『骨折』の診断でギプスを巻かれました。

ギプスを巻いている間は、その腕を洗えませんので、痒かったです。

腕を洗えないことで、なんとも不快な臭いが生じ、しばらく耐えていた記憶があります。

ふくらはぎの肉離れ

あなたは肉離れの経験はありませんか?

骨折とはまた違う、つらい痛みに襲われます。

これがまた、しょうもないことで起きました。

確か中学生の時だったと思います。

学校の階段をちょっと急ぎ目に降りている時に、意図せず、一段飛ばしに降りてしまい、下腿(ふくらはぎ)を無理に伸ばしてしまいました。

そんな経験はありませんか?

その直後から、ふくらはぎの激痛に襲われ、まともに歩けなくなってしまいました。

すぐに整形外科を受診したところ、『肉離れ』の診断でした。

幸い軽症でしたので、松葉杖のお世話にはならず、そんなに時間がかからずに痛みが引いたようです。

オスグッド病

『オスグッド病』、こちらが一番やっかいでした。

こちらについては、プロフィール記事で少し触れていました。

プロフィール記事

この記事を読んでくださっている方、またはお子さんが経験されているかもしれません。

まずはオスグッド病とはどんなものなのか、ご理解いただきたく思います。

オスグッド病とは?

オスグッド病は、思春期に身長が急激に伸びる成長期に起きる病気です。

筋肉量の少ない、やせ型の子供に起きやすいです。

特にサッカー、バスケットボール、野球、バレーボールなど激しい運動を行うスポーツを行なっている子供です。

こちらのレントゲン写真をご覧ください。

オスグッド病のレントゲン写真:Wikipediaより転載

オスグッド病は脛骨(けいこつ:すねの骨)の表面が『剥離骨折』を起こしてしまうものです。

上のレントゲン写真で、赤矢印で指している部分が骨折を起こしている部分です。

なぜ、このようなことが起きてしまうのでしょうか?

オスグッド病の原因

オスグッド病の原因は急激な成長により、脛骨にくっついている筋肉の腱が脛骨を強く引っ張りすぎることで起きます。

そんなことが起きるの?って思いますよね。

筋肉の腱が骨を引っ張って、骨の一部を剥離させてしまうのですね。

これはやはり、骨がもろいと起こりやすくなることです。

僕がオスグッド病になった時

僕は中学生の時にはバスケットボールの部活に入っていました。

顧問の先生が厳しかったこともあり、バスケ部の練習はかなりきつかったですね。

同時に、身長がぐんぐん伸びました。

中1の時、158cmでしたが、高1では178cmになっていました。

急激な成長と、激しい運動。

そして、僕は虚弱体質で骨がもろかったのでしょう。

中1の秋にオスグッド病を発症し、整形外科でバスケをやらないように止められました。

サポーターも常に装着して、少しは痛みは改善しましたが、痛みが無くなることはありませんでした。

中学の時はバスケをやめて、膝の痛みがある程度治ったので、高校の時にまたバスケ部に入りました。

しかし次第に膝の痛みが再燃し、またバスケを続けることを断念しました。

バスケがそれほど好きではなかったので、後悔はしていません。

バスケをやめてからも、結局、脛骨が出っぱったままになってしまい、今でもその様子がよくわかります。

なぜ、そんなに怪我をしやすかったのか?

僕が幾度となく、怪我や病気をしてしまったのは、その時は「運が悪いからだ」程度しか、考えていませんでした。

医者になって医学に精通するようになっても理由はよくわかりませんでした。

しかし、オーソモレキュラー(分子栄養学)を学んでから、それがよくわかってきました。

あくまで推測ですが、僕は幼少の頃から『重度の鉄不足』だったのでしょう。

もともとの虚弱体質に加えて、バスケのような激しい運動をすることで汗から鉄がさらに失われました。

また、骨の成長のために鉄が多量に必要になります。

しかし、実際には鉄の供給が追いついておらず、貧弱な骨になってしまったのでしょう。

このように、十分な鉄分摂取が、丈夫な骨を作るのに不可欠なのです。

「え?鉄分と骨が関係あるの?」って思われるかもしれません。

その理由は後ほど説明します。

鉄不足は母子で受け継がれる

ちょっと本題からは外れますが、大事なことなので、お話させていただきます。

本来、男性は鉄不足や貧血になりにくいのですが、母親に鉄不足がある場合は、胎盤を介して血液が入ってきますのでそのまま受け継いでしまいます

僕の母親は昔は色白で、体もあまり強くなかったと聞きます。

何より、僕がおなかの中にいる時の『つわり』がかなりひどかったようです。

これらのことから、妊娠中の母親は『重度の鉄不足』がある状態だったのではないかと、推測しています。

ですので、妊活時や妊娠後には鉄の補給は非常に重要だとご理解いただけると幸いです。

コラーゲンをしっかり作り出すためには?

さて、骨の構造で確認しました通り、丈夫な骨を作るためには『コラーゲン』が不可欠です。

さきほどの話に出てきた『鉄』はコラーゲン合成のために必要なものです。

コラーゲンを体内で作るためには、鉄の他に2つ必要なものがあります。

それは『タンパク質』と『ビタミンC』です。

つまり、『コラーゲン=タンパク質+鉄+ビタミンC』なのです。

コラーゲンが骨の中の『鉄骨』となって、丈夫な骨を作ると書きましたね。

コラーゲンが丈夫な骨や筋肉(筋膜)の元となるわけですね。

コラーゲン=タンパク質+鉄+ビタミンC

食物中の『コラーゲン』そのものは役に立つ?

「それじゃあ、コラーゲンを栄養として直接摂ればいいんじゃない?」と思うかもしれませんね。

もつ鍋など、コラーゲンたっぷりの鍋を食べることもできますよね。

もちろん、コラーゲンもタンパク源になるので、役に立ちます。

しかし、胃腸の中に入ったコラーゲンは、消化されて、アミノ酸に分解されてから、体内に吸収されます。

体内に入ったアミノ酸は、コラーゲンとして合成されるとは限らず、別のタンパク質として利用されるかもしれません。

ですので、『コラーゲン』そのものを栄養素として摂り入れることは必須ではないことがわかります。

骨と筋肉を丈夫にするためには?

ここまでお話ししてきて、十分にご理解いただけたことかと思います。

骨と筋肉を丈夫にするためには、体に『コラーゲン』を作らせる栄養をたっぷり摂ることが大事なんですね。

特に、肩こり・腰痛などの慢性的な痛みを抱えている方は『筋膜』に問題がある可能性が高いです。

筋膜がもろいと、炎症が起こりやすくなるのですね。

筋膜を強くするためにも、体の中で良質なコラーゲンを作らせることが、とっても重要です。

既存の医学では筋膜にはそこまで注目していないかと思います。

実際に、整形外科医である大友通明先生がオーソモレキュラーによる栄養療法を実践されています。

大友先生は整形外科領域においても、栄養療法が病気を早く治す、すっきり治すことができると実感されています。

大友先生のブログもぜひ、ご覧になってみてください。

大友通明先生のブログ

とても大事なので、もう一度、繰り返します。

『コラーゲン=タンパク質+鉄+ビタミンC』

これは、老若男女みなさんに役に立つ知識であることは間違いありません。

みんなでいつまでも元気いっぱいで健康でいられる、どんどん丈夫な体を作っていきましょう!

それではまた。

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