小春に近寄られるのが、一番ストレスに感じるニャ(怒)!
なんでリンちゃんは仲良くしてくれないのかニャ〜(泣)。
うちの猫2匹はかなり相性が悪く、喧嘩ばかりしています(泣)。
「ストレス」・・・
日常的にあちこちで飛び交う、聴き慣れた言葉ですよね。
特に、具合が悪くて病院を受診した時に、医者から「原因はストレスですね」と言われたことがありませんか?
そう言われた方は、わかったような、わからないような感じではないでしょうか。
そもそも、ストレスフリーで過ごしている人はそうそういないでしょう。
僕自身も医者の立場として、患者さんにお話しする時に、病気の原因として「ストレス」を挙げることは、漠然としていてあまり好きではありませんでした。
何か、原因がはっきりわからなくて誤魔化しているかのような感覚でした。
ですが、最近は考えが変わってきました。
ストレスはまさに、病気の原因になり得るのですね。
分子栄養学の知識を用いれば、ストレスがどう心身に影響するのかが、よくわかってきます。
今回はそのことをしっかり解説していきたいと思います。
ストレスに対して、どう対処すればいいかも一緒にお伝えしていきます。
最後まで読んでいただければ、ストレスが怖くなくなるかも!?
目次
ストレスとは一体何なのか?
誰もが普段、何気なく使っている「ストレス」という言葉。
たとえ、あなたが「ストレス」を感じていたとしても、ストレスの原因や程度を人に伝えることは意外と難しいのではないでしょうか。
強いストレスを感じると、やる気がなくなってしまったり、怒りを感じたり、体も不調を感じたり。
いいことがないですよね。
あなたは普段、どのようなことでストレスを感じますか?
ストレスの原因を挙げてみましょう。
- おなかが空いている
- 夜、しっかりと眠れない
- 経済的に苦しい
- 夫婦仲が良くない、交際相手とうまくいかない
- 子供が思うようにならない
- 職場の人間関係が良くない
- 自宅の周囲で騒音が気になる
- 病気や体調が良くならない
- 頑張っているけど、テストや仕事で成果が出ない
などなど・・・挙げれば無数にありますよね。
ですが、すべて共通点があります。
それは、「自分の欲求が満たされないこと」です。
食欲、睡眠欲、金銭欲、愛情欲、快適への欲求、安全や健康への欲求、競争に勝ちたい欲求など。
自分の欲求が満たされないことが、ストレスにつながるわけですね。
かといって、自分の欲求を満たすためだけに生きることは、はばかられますよね。
そこで葛藤が生じたりします・・・。
「ストレス」と「葛藤」が、著しくエネルギーを消耗させてしまいませんか?
僕もけっこう思い悩む方なので、それだけでクタクタになってしまうことがあります。
ここで、一つキーワードが出てきました。
『エネルギーを消耗させている』ということです。
これがストレスが病気につながるキーポイントになりそうです。
ストレスにはどう対処している?
ストレスの正体は何となく見えてきました。
それでは、僕達は実際にストレスに対してどう対処しているでしょうか?
よく、「ストレス解消しましょう!」って言われますよね。
ストレス解消って意外と難しいと思いませんか?
『仕事のストレスをどんな方法で解消している?』という500人の男女に対するアンケート結果がこちらです。
↓↓↓
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000041309.html
アンケート結果の中からストレス解消方法をピックアップすると次のようなものになります。
- 美味しいものを食べる
- お酒を飲む
- 運動やスポーツをする
- 話を誰かに聞いてもらう
- 寝る
- 趣味を楽しむ
- ドライブ・映画など
- 買い物をする
- カラオケで歌う・音楽を聴く
ちなみに僕のストレス解消法は・・・
あまりないんですけど。
- ピアノを弾く
- ドライブする
- 温泉に入る
- ペーパークラフトを作る
こんなところでしょうか。最近はもっぱら「ピアノ」ですね。
ピアノを弾くと、すごく落ち着きますね。
ストレス解消法はいろいろありますが、個人個人に合った方法で実践すべきですよね。
あなたも、しっかりストレス解消できていますか?
でも悩みやストレスが大きくなると、ちょっとやそっとでは解消できなくなります。
簡単に解消できないストレスや困難にさらされた時、鬱っぽくなったり、イライラしやすくなったりしてしまいますね。
僕がこの記事で提案するのは、脳の仕組みをしっかり理解して、その上で対処しようということです。
それでは「ストレス」を科学的に見てみようと思います。
ストレスを科学すると、どうなるか
ストレスと自律神経の関係
『ストレス』とは命に関わるほどではないですけど、心身にとっては「危機」を感じている状態です。
脳と体は交感神経が優位となっており、いわゆる軽い『戦闘状態』になっています。
自律神経は常に交感神経と副交感神経のバランスが取れている状態が普通ですが、交感神経が活発になりすぎていると、バランスが崩れます。
下の図のような状態になります。
心身が常に『戦闘状態』だと疲れきってしまいますね。
これを医学的には「自律神経失調症」と表されることが多いです。
そして、この状態がさらに悪化すると、人前に出ると激しい動悸がしたり、呼吸が思うようにできなくなったりする「パニック障害」と言われる状態にもなりかねません。
そうならないように、しっかり対処したいものです。
ストレスを感じている時、脳内のホルモンはどうなる?
もう少し細かく見ていきましょう。
交感神経を活発にするホルモンはカテコラミンと呼ばれる「ドーパミン」「アドレナリン」「ノルアドレナリン」の3つです。
言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。
このうち、心身が「戦闘体制」に入るのに作用しているのが「アドレナリン」と「ノルアドレナリン」です。
主に、アドレナリンが各臓器に作用し、ノルアドレナリンが脳に作用します。
ストレスに対抗するために、アドレナリンとノルアドレナリンがたくさん出て、なんとかストレスに打ち勝とうとします。
具体的には、血圧が上がったり、動悸がしたり、汗が出たりします。脳も興奮し、活発になります。
しかし、ストレスが一時的なら、なんとかなりそうですが、ストレスが長期間続いてしまったらどうなるでしょうか?
次第に、アドレナリンとノルアドレナリンを作る材料が枯渇してしまい、出づらくなってしまいます。
つまり、ストレスに対して「戦闘状態」になれなくなってしまうのです。
アニメ『ドラゴンボール』の登場人物、孫悟空がスーパーサイヤ人になれなくなったようなものです。
そうなるとストレスに対し、極めて弱い状態になってしまい、メンタルもやられてしまうでしょう。
脳内のホルモンが作れないということは、どういうこと?
脳内のホルモンのことを「神経伝達物質」といい、脳内で複雑なネットワークを形成し、脳の状態を安定させる役割を果たしています。
この神経伝達物質のうち、前項でお話しした3つのカテコラミン(ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン)の他に重要なのが、「GABA(γアミノ酪酸)」と「セロトニン」です。
- カテコラミン(ドーパミン・ノルアドレナリン・アドレナリン):交感神経を興奮させ、心身を「戦闘体制」にさせる。
- GABA:カテコラミンが興奮系の物質であるのに対し、GABAは抑制系として神経の興奮をコントロールする役目を果たす。
- セロトニン:よく「幸せホルモン」と表現される。幸せを感じるのに必要なホルモン。不足すると鬱になりやすくなる。
それでは下の図を見てみましょう。
食物中のタンパク質は小腸でアミノ酸として吸収され、そのうち、L-グルタミン酸、L-フェニルアラニン、トリプトファンが脳内で利用されます。
そして、それぞれのアミノ酸はナイアシン・亜鉛・ビタミンB6・鉄の作用を受けて、神経伝達物質へと変えられます。
さきほど、ストレス時にはノルアドレナリン・アドレナリンがどんどん使われて、枯渇していくと説明しましたね。
そうすると、それらを作るのに必要なナイアシン・ビタミンB6・鉄もどんどん使われて、不足してしまいますね。
さらに、セロトニンを作る過程でもナイアシン・ビタミンB6・鉄が必要となりますので、セロトニンも作られなくなってしまいます。
セロトニンが作られなくなると、幸せを感じることができなくなってしまい、何事も楽しめなくなります。
このように、ストレス状態が続くと、脳内の神経伝達物質がどんどん失われてしまい、自律神経のバランスを崩し、精神状態も悪化してしまいます。
うつ病になって、精神科に受診することになる前に、なんとかしなくてはいけないですね。
それではどうすれば、ストレス状態に打ち勝つことができるでしょうか?
ストレスがかかると甘いものが欲しくなりますよね。
これは脳がエネルギー不足を感じると、糖質への依存性が高まるからです。
しかし甘いもので誤魔化してしまうと、血糖値の乱高下を招き、メンタルが余計に悪化してしまいます。なるべく早期に根本的な対処をしていきましょう。
ストレスに負けない心と体をつくるためには
この記事をしっかりお読みいただいている、聡明なあなたはすでにお気づきかもしれません。
ストレスに負けない心を体をつくることは、理論上は難しいことではありません。
「それなら、神経伝達物質がしっかり作れるようにしてあれげばいいんじゃないの?」って思いませんか?
そうです、その通りです。
食べ物と栄養でしっかり対処できるのです。
前項の図をもう一度見てみましょう。
この図をじっくり見直すと、どうすればいいかが見えてくるはずです。
ポイントを挙げてみます。
- タンパク質
- ナイアシン
- ビタミンB6
- 鉄
- 亜鉛
これらを効率的に摂取できるのは、動物性食品です。特に牛レバー、鶏レバーが栄養豊富です。
もちろん、こういった動物性蛋白を積極的に摂って栄養補給に努めることも大事です。
↓↓おすすめレシピです
しかし、実際の病状・体調によっては食品だけで補いきれないことが多いのも事実です。
それに加えて、ストレス下では胃腸も弱ってしまい、そうたくさんは食べられないでしょう。消化管の栄養吸収も落ちていることが多いです。
特にナイアシン・ビタミンB群は体内での消費が著しい割に、食品から摂取できる量は多くはありません。
強いストレスがかかっている時は、ナイアシンは1日1000mg以上、ビタミンB群は1日150mgは必要と言われています。
例えば、牛レバーからナイアシン1000mgを摂取しようとすると、5.6kgもの大量の牛レバーを摂取しなくてはいけなく、現実的ではありません。
ストレスからの悪循環を断つためには、サプリメントを用いた栄養療法が最も根本的で、効果的であることがオーソモレキュラーを実践する諸先生方の臨床経験から証明されています。
サプリメントをうまく利用して、脳内の神経伝達物質がうまく回るようになれば、サプリメントなしでも良い調子が維持できるようになるようです。
あなた自身や、周りの方で思い当たる方がいたら、ぜひ食事を見直したり、サプリメントを飲むことを検討してみてください。
ストレスフリーな生活が一番だと思いますが、なかなか難しいと思います。
それなら、ストレスに負けずに打ち勝てる、心と体を手に入れましょう!
サプリメントは必ず良質なものを選びましょう。
質の悪いものは、いくら続けても効果が出ないばかりか、逆に健康を損ねる可能性があります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が一人でも多くの人にとって役立つものになることを願います。
それではまた。
こんにちは!こばやし内科クリニックの小林です。
今回は「ストレス」について掘り下げてお話ししたいと思います。
ストレスって漠然としていて、わかりにくいですよね。
この記事でストレスの正体を暴いていきます!!