オレは毎日、日光を浴びてるぜ!おかげで元気モリモリだぜ!
ヒョウ丸には毎日、人工的な紫外線ライトを照射しています。
いつもブログをお読みいただき、ありがとうございます。
このブログでは、ビタミンDのことを断片的に記事にしてきました。
内容は覚えていらっしゃいますか?
『免疫力』と『アレルギー』にビタミンDが関わることをご説明いたしました。
内容をお忘れの方は、さらっとでも記事を振り返ってみてくださいね。
さて、昨今のウィルス感染症の流行により、『ビタミンD』を摂取して、免疫力を上げたい!と思われる方も多くなってきているのではないでしょうか。
やはり免疫力を上げるためには『ビタミンD』を増やすことが、重要です。
ビタミンDを増やすことは免疫力を上げるだけではなく、いろいろな効果が期待できます。
- 免疫力を上げる
- アレルギーを良くする
- 骨を丈夫にする(骨粗鬆症の予防や改善)
- がんにかかりにくくする
- 皮膚病を予防する、良くする
- 生殖能力を上げる(不妊症の改善)
さらに、血液中のビタミンDが多い人は、死亡率が低いというデータもあります。
つまり、ビタミンDを摂取することが『健康で長生き』につながる可能性があるということです。
このブログでは効率的なビタミンDの摂取方法や、どのくらいの量を摂取するべきかを詳しくお話ししていきます。
結論だけ知りたい方は目次から『まとめ』に飛んでいただけると、すぐにわかります。
それでは、最後までお付き合いくださいね。
目次
ビタミンDを摂取する際に目安にしたいこと
厚生労働省の栄養所要量は?
ビタミンDを摂った方がいいのはよくわかっているけど、どのくらい摂ればいいの?と思われることでしょう。
一つの目安になるのが厚生労働省が示している『栄養所要量』ですが、ビタミンDは年齢・性別によって若干の差があるものの、おおむね1日8.5μg(340IU)と定められています。
こちらは健康増進のための値ではなく、あくまで多くの方が一般的に摂取しているビタミンD量の平均値をもとに決められたものなのです。
ですので、1日8.5μgのビタミンDだけを摂取していれば、健康レベルが上がるとは言えません。
何を目安にすればいい?
前述しましたように、ビタミンDの摂取量はもっともっと上を目指す必要がありそうです。
それでは、目安となるものは何かあるのでしょうか?
そこで目安として、とても参考になるのが『ビタミンDの血中濃度』です。
つまり、血液検査でビタミンDの量を測るわけです。
と言っても、血液検査で『ビタミンD』という項目はないため、『25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)』を測定します。
25(OH)Dは、活性のない(物質として作用しない)状態のビタミンDのことです。
一般的には、ビタミンDの正常値は20ng/ml以上(ngは「ナノグラム」と読む)です。
しかし20ng/mlというのは低めの値であり、病気にならないためには、もっと高い血中濃度が必要です。
僕やオーソモレキュラーの諸先生方は、ビタミンDの血中濃度については『50ng/ml以上』は欲しいと考えています。
それではなぜ、50ng/ml以上のビタミンDが必要なのでしょうか。
ビタミンDはビタミン類の中でも血中濃度を直接測定できる、数少ない栄養素です。
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどの栄養素は目安となる血液検査の項目は存在しません。
ビタミンB群はビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12、葉酸など、血中濃度を測定できるものもありますが、過不足を判断できるものではありません。
ビタミンDがインフルエンザを予防するというデータ
医学論文を検索してみると、コ○ナウィルスに関するデータも多く出てきているようですが、一定したコンセンサスはない現状です。
ここではインフルエンザに対するビタミンDの予防効果に関するデータをお伝えします。
日本の6~15歳の小中学生に1200IUのビタミンDを飲ませたところ、プラセボ群と比較し、インフルエンザの発症を42%抑制した。
アメリカのアフリカ系女性に800IUのビタミンDを飲ませたところ、インフルエンザ・感冒を発症するのはプラセボ群の1/3となった。
さらにビタミンDを2000IUに増やしたところ、インフルエンザ・感冒の発症はほぼ無くなった。
『On the epidemiology of influenza』,Virol J 25;5:29, 2008
これらの2つの報告より、ビタミンDの補給がインフルエンザや予防に役立っていることが明らかです。
ビタミンDの血中濃度と死亡率に関するデータ
『ビタミンDの血中濃度が高いことで、がんによる死亡を減らす』という論文がいくつかあります。
その一部をご紹介します。
アメリカにおいて、被検者のビタミンDの血中濃度が32μg/ml以上であると、20μg/mlの被検者より大腸癌による死亡リスクが72%低下した。
ノルウェーにおいて、前立腺癌患者でビタミンDの血中濃度が32μg/ml以上であると、20μg/mlの患者より死亡率が84%減少した。
→『Association between serum 25(OH)D and death from prostate cancer』,Br J Cancer. 100(3), 450-4, 2009
メタ解析(複数の論文のデータを集めて解析)によると、ビタミンDのサプリメントを投与することで全死亡率が7%低下した。
その他も、ビタミンDに関する論文は無数にありますが、ビタミンDの投与量と血中濃度については、コンセンサスが得られていないようです。
これらの論文より、ビタミンDの血中濃度については、最低限32μg/ml以上は目指すべきだと考えられます。
オーソモレキュラーを実践している諸先生方は50μg/ml以上の血中濃度が得られるように、サプリメントの量を調節しているようです。
場合によっては、それ以上の血中濃度が必要であることもあります。
この記事では32μg/mlを目指す方法を解説していきたいと思います。
しかし32μg/mlを達成できる方法は、個人差がありますので、あくまで参考程度ということにさせてください。
『ビタミンDが乳癌を予防する』ということを示唆する論文も見られますが、今ひとつインパクトに欠けるため、掲載しませんでした。
おそらくビタミンDの量と血中濃度に関する見解が専門家によって違うことが原因だと思われます。
僕のビタミンDの血中濃度を参考に
実は、つい最近、僕はビタミンDの血中濃度を測定しました。
結果は『34μg/ml』でした。
そちらの検査に関する詳細は別記事で特集する予定です。
実は50μg/mlを目指していたのですが、目標にはまだ遠いようでした。
僕は仕事柄、日光浴をする機会はあまりありませんので、やはりサプリメントを内服しています。
5000IUのビタミンDのサプリメントを2日に1回ほど、飲んでいました。
しかし、2日に1回では足りないことがわかりましたので、今は毎日飲んでいます。
やはり目指すは50μg/mlですね!
僕の経験から、およその目安として、ビタミンDを2500IU摂取すると32μg/mlを超える血中濃度が得られると考えられます。
それでは、ビタミンDを毎日、2500IU摂取する方法を考えていきましょう。
ビタミンDを増やす方法3つ
冒頭でもお伝えしました通り、ビタミンDを増やす方法は3つあります。
- 食べ物
- 日光浴
- サプリメント
それぞれ、メリット、デメリットがあります。
これから詳しく解説していきたいと思います。
食べ物
あなたは、ビタミンDがどんな食べ物に多く含まれているか、ご存知ですか?
簡単に言えば『魚』と『きのこ』と『卵』の3つです。
魚の中でも、特にビタミンDを多く含むのは『紅鮭』です。
紅鮭100g中に、ビタミンDを38μg(1520IU)を含みます。
他の魚に比べても、突出して多い量です。
きのこは特に、椎茸を干すと、ビタミンDが増えることは割と知られているかもしれません。
干し椎茸100gにはビタミンDが17μg(680IU)が含まれます。
それに対し、生の椎茸に含まれるビタミンDは0.5μg(20IU)であり、干し椎茸とは、かなりの違いがありますね。
しかし干し椎茸1個は普通は5g程度であり、水で戻してから食べますね。
5gだとビタミンDの含有量が0.85μg(34IU)となり、それほど多くはない量です。
椎茸って、いっぺんに何個食べられますかね?
せいぜい3~4個じゃないでしょうか?
また、卵には50gぐらいのものだと、ビタミンDを1.9μg(76IU)含みます。
1日2-3個食べれば、それなりの量になります。
実際にはビタミンDを効率的に補給するには紅鮭をはじめとした、魚から摂取するのがメインとなるでしょう。
どうでしょうか?
魚、キノコ、卵をうまく組み合わせれば、ビタミンDを2500IU摂取することができるのではないでしょうか。
でも毎日、2500IUを達成するのはちょっときついかな・・・という印象です。
食べ物からのビタミンD補給:主に紅鮭などの魚、キノコ類、卵
メリット:安価で実行しやすい
デメリット:毎日同じものを食べると、飽きやすい
日光浴でどのくらいビタミンDを合成できる?
日光を浴びることで、ビタミンDを体の中で合成できることは、広く知られていることですね。
日光浴は食べ物やサプリメントと違って、『無料(タダ)』です。
しかし、デスクワークや屋内での勤務が多い現代人の仕事内容からすると、日光浴をしたくてもできない方もいらっしゃることでしょう。
僕ら医療従事者も日中はほとんど病院の中にいるため、日光に当たる機会はほぼありません。
そんな中でも頑張って日光浴とするとしたら、早朝に散歩する、休日に多く日光に当たるという方法もあります。
果たしてどのくらいの時間、日光を浴びれば、十分なビタミンDを合成できるのでしょうか。
↓非常に参考になるデータがこちらです↓
こちらでは5.5μg(220IU)のビタミンDを合成できる日光浴の時間が計算されています。ただし、顔と手しか肌を露出していない条件下です。
さて、こちらのデータを用いて、日光浴で2500IUのビタミンDを合成する時間を計算します。
2500IU=62.5μgとなります。
札幌、つくば、那覇の3地点で見てみます。
どう思われますか?
やはり朝は日光から出る紫外線量が少なく、効果が少ないようです。
また、札幌と沖縄では大きな差があります。
札幌の冬は日照時間が非常に少なく、紫外線量も少ないので、ビタミンDを合成することは困難ですね。
沖縄なら一年中、十分なビタミンDを合成できるかもしれないですね。
肌の露出を増やせば、多くの日光を浴びることができます。
いずれにしても、それなりの長い時間、日光浴をしないと2500IUのビタミンDを合成することは難しいようです。
日光浴で十分なビタミンDを合成するには、けっこう長い時間が必要!
サプリメントは必要か?
今まで解説してきた、『食べ物』と『日光浴』だけでも十分なビタミンDを補給することはできそうな印象です。
頑張れば、2500IUのビタミンDを達成できそうですね。
でも、次のような方はサプリメントを飲むべきでしょう。
- 日光浴をする時間がない
- 紫外線が肌に悪いから、日光浴をしたくない
- 魚を食べるのが嫌い、毎日は食べたくない
- ビタミンDの恩恵を最大限に受けたい
ビタミンDのサプリメントもいろいろな種類が売られていますので、どれを買えばいいか、迷うかもしれないですね。
サプリメントについても少しだけ解説します。
ビタミンDのサプリメントの選び方
ビタミンDのサプリメントはけっこう、細かく考えて選ばなくてはいけません。
ビタミンDは脂溶性ビタミンであり、簡単に言えば、『油の一種』です。
油に溶け込んで存在しています。
油には常につきまとう問題があり、それは『酸化しやすい』ことです。
市販のサプリメントは、製剤化した時点ですでに酸化しているものがあります。
また、脂溶性ビタミンを吸収するためには、油が一緒に必要であることや、『ミセル化』されることも大事です。
ここでまとめてみます。
- 十分な量が含まれていること(できれば5000IU)
- 酸化しにくいこと
- 油とともに吸収されること
- ミセル化されていること
ミセル化とは何かと言いますと、油を小腸で吸収するためには、細かい油の粒にならなくてはいけません。
そのためには、『胆汁』が必要です。
胆汁と油がしっかり混ざり合うことで、小腸に吸収されるわけです。
仮に食事を摂らず、サプリメントだけ飲んだ時には、ごく少量の油しか腸に入らないため、おそらく胆汁は出てこないでしょう。
そうすると、サプリメントは素通りするだけで、ほとんど吸収されなくなってしまいます。
サプリメントの吸収効率を最大限に高めるためには、きちんと工夫されたサプリメントを選ぶべきですね。
ちなみに僕はメディカルサプリメントを飲みたいと思っていますが、予算の関係で通販サイトの安価なサプリメントを飲んでいます。
ですので、亜麻仁油を摂取してからビタミンDのサプリメントを飲むようにしています。
ご参考までに。
サプリメントの質はピンキリ。良いものはやはり値が張ります。
予算との相談を。
ビタミンDの血中濃度はどのくらいで上がってくる?
ここで一つの疑問が浮上します。
「日光浴をしたり、サプリメントを飲んだりしてから、どのくらいでビタミンDの血中濃度が増えてくるの?」ということです。
実はかなりのタイムラグがあり、2ヶ月ほどかかると言われています。
つまり、今から頑張って日光浴やサプリメントでビタミンDを増やしたとしても、全身に行き渡って血中濃度が上がるのには、2ヶ月かかるということです。
ですので、ビタミンDを補給したいと思う人は、すぐにでも行動に移しましょう。
まとめ
それでは、まとめになります。
- 頑張れば日光浴と食べ物で最低限の目標、2500IUを達成できる
- ビタミンDによる恩恵を最大限に期待するなら、サプリメントで補給すべき
- ビタミンDを増やそうとしても、2ヶ月はかかる
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
あなたもビタミンDを利用して、病気とは無縁の体を目指していただきたいと切に願います。
こんにちは!こばやし内科クリニックの小林です。
今回は病気知らずになるために、『ビタミンD』をどのくらい摂取すればいいかについて、詳しくお話しいたします。
体のビタミンDを増やすには食べ物、日光浴、サプリメントの3つの手段がありますが、それぞれどんなメリットとデメリットがあるかをお伝えしていきたいと思います。