クスリいらずの快適睡眠術〜これであなたは毎日熟睡できる!

Dr.コバ

こんにちは!こばやし内科クリニックの小林です。

今回は栄養とともに、健康にとって不可欠な睡眠のお話です!

熟睡できていると思っている人でも、意外とできていない場合があります。

睡眠のクオリティを下げることを無意識にやっていないか、この機会にチェックしてみてくださいね。

ロッシー

ワシャ、たくさん寝とるのに、いっつも眠いワイ・・・

あなたは自分の睡眠に満足できていますか?

睡眠に悩んでいる人って意外と多いですよね。

株式会社フジ医療器が全国の20歳以上の男女6457人にアンケートを取ったところ、なんと94.8%の人が「睡眠に満足していない」との結果が出たとのことです。

→詳細はHPへ:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000065996.html

この結果には僕も驚きでした。

でも実際には、睡眠に悩みを持つ人に遭遇することは多いですね。

僕も睡眠障害を数回経験したことがあります。

病院の外来にいらっしゃる患者さんでも「よく眠れない・・・」と訴える方が多いです。

つい、「睡眠薬飲みますか?」と安易な提案をしてしまいそうになりますが、それではダメなんですね。

クスリはあくまで最終的な手段です。副作用もありますし、何より依存性や習慣性の問題が大きいです。

医療者側としては、いい睡眠が取れなくて困っている人の『睡眠の質』を上げる努力をしてあげたいものですね。

もちろん、ご本人のご協力も必要となってきます。

この記事は普段、いい睡眠が取れなくて困っている人にはもちろん読んでいただきたいです。

今は大丈夫な人も、将来、睡眠障害にならないように予防できる知識を身につけていただきたいと切に願います。

この記事を読むべき人
  • なかなか寝付けない
  • 途中で目が覚めてしまい、その後はなかなか寝れない
  • 必要以上に朝早く、目が覚めてしまう
  • 朝起きても疲れが取れておらず、起きたくない
  • 寝ている時に足がつる
  • 寝ている時に歯ぎしりをしてしまう
  • ひどく寝汗をかいてしまう
  • 悪夢を見てしまう
  • 今は大丈夫だけど、ずっとぐっすり眠りたい

睡眠は自律神経を整えることがすごく大事です!

まずはこちらの記事をご覧くださいね。

この記事は少し長めですので、急いで読んでも10分はかかると思います。

お忙しい方は2-3回に分けて読んでいただけると負担が少ないと思います。

睡眠の質はどのようにして決まるか

あなたは「眠れなくて困った」経験がありますか?

誰もが一生に一度は経験があるのではないでしょうか。

僕も寝つきが悪かったり、悪夢を見たり、夜中に目が覚めてしまったり、いろいろありましたね。

睡眠の質ってどのようにして決まるのでしょうね?

もうすでに、あなたも実感していることかもしれません。

「一日の過ごし方」で「睡眠の質」が決まるということですね。

最高の睡眠を得るためには、睡眠の質を上げる行動を実践し、睡眠の質を下げる行動を避けることが大事です。

睡眠の質を上げるためには、「これだけをやればいい」ということではなく、色々な工夫や配慮を重ねる必要があります。

ざっくり言うと、次が最も大事な3つのポイントになります。

睡眠の質を左右する3つのポイント
  • 自律神経を整え、寝る前にしっかりと「副交感神経」を優位にする
  • 脳内ホルモンである『セロトニン』と『メラトニン』を増やす行動を取る
  • 良質な睡眠にとって必要な栄養を摂取する

大事なポイントは以上の3つになりますが、具体的に行動に移すと多くのポイントが出てきます。

それでは、まずは睡眠の質を上げる行動を解説していきますね。

睡眠の質を上げることができる行動8つ

睡眠の質を上げる行動を一気に挙げていきます。

前述した通り、1日が始まる、朝からの行動を一つ一つ気をつけていく必要があります。

そして、寝る3時間前からが勝負です!

睡眠の質を上げることができる行動
  • 朝起きたらすぐに日光を浴びる
  • 日中に運動をする
  • 睡眠にとってプラスになる食材を摂る
  • 寝る3時間以上前に夕食を済ませる
  • 寝る2時間前にお風呂に入る
  • 寝る前にストレッチをする
  • 寝る1時間前には部屋を暗目にする
  • 寝る前に読書をする

朝起きたらすぐに日光を浴びる

あなたは朝起きたら、部屋のカーテンを開けて日光を浴びていますか?

まさか、カーテン開けないで閉め切ってはいないですよね?

窓際で浴びるのもいいですけど、窓を開けると、より気持ちいいですよね。

一番いいのは、朝日を眺めながら外を散歩することです。

僕は今では諸々の事情でなかなかできなくなりましたが、早朝の散歩はすごく気持ちがいいですし、睡眠の質も良かった記憶があります。

YouTubeで配信されている、精神科医である「樺沢紫苑」先生も『朝散歩』を強くお勧めされています

メンタルの疾患をお持ちの方にとっても、大変プラスになるようですね!

一体、何のために朝に散歩するのでしょうか?

まずは日光を浴びることで体内時計がリセットされます。そうすると、14~16時間後にメラトニンというホルモンが作られます。

メラトニンというのは脳内ホルモンの一種で、『サーカディアンリズム』という人間の体内時計を調節する役割を担っています。

また、日光を浴びることでセロトニンが体内で合成されます。セロトニンを日中に作っておくと、メラトニンが夜に作られて、快適な睡眠に導かれます。

新鮮な空気を吸いながら散歩をすると、気持ちがいいですよね。

そのことがさらに、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」をさらに増やしてくれます。

あなたもセロトニンをいっぱい作れる体になりましょう!

また、日光浴をすると体内で「ビタミンD」が作られ、免疫力が上がり、骨が強くなり、メンタルにもプラスになります。

ただ、早朝の日光は紫外線が弱いので、ビタミンDを作らせる効果は強くありません。

早朝散歩の3つ効果
  1. 体内時計のリセット
  2. 「幸せホルモン」のセロトニンを作らせる
  3. ビタミンDを作らせる

日中に運動する

朝にお散歩をしている方ははそれだけでも十分かもしれません。

朝以外に日中に運動をされる方は、昼間のうちに運動することがお勧めです。

なぜなら、夕方以降、暗くなってから運動を行うと「交感神経」が優位となってしまい、人によっては寝る間に副交感神経が優位になりにくくなるからです。

僕の経験談として、夜の19時からバドミントンを毎週やっていた時期がありました。

それはそれで楽しいひと時でした。

しかし、夜21時ぐらいに帰宅して、ご飯を食べてから床に入ると、いざ眠ろうとしてなかなか寝付けないのです。

心なしか、少し動悸しがちで体が火照った感じがしました。

筋トレも同じで、夜に筋トレをすると眠りが浅くなることを自覚された方もいらっしゃるのではないでしょうか。

睡眠にとってプラスになる食材を摂る

こちらは非常に奥が深いので、今回はちょっと触れる程度にしておきます。

前述した「セロトニン」という脳内ホルモンを作るには、『トリプトファン』というアミノ酸が必須となります。

トリプトファンは9つの必須アミノ酸のうちの1つであり、乳製品、卵、大豆、ナッツなどから摂取できます。

動物性食品を制限してなければ、普通に摂取できるものです。

1日3食、人によっては2~4食でもよいと思います。

体質や体調に合った食事をしていきましょう。

乳製品はカゼインの問題があり、あまりお勧めはしません。

寝る3時間以上前に夕食を済ませる

あなたは満腹まで食べてしまった時に、眠りが浅くなって、寝ている途中で目が覚めてしまったことはありませんか?

満腹状態だと、胃腸の動きが活発になり、内臓の休息が得られないという大きなデメリットが生じます。

また、夜食べたものがエネルギーとしてほとんど消費されずに寝てしまうことになるため、血糖値や中性脂肪などが上昇したままになり、肥満や夜間低血糖の原因となります。

さらに、満腹状態で寝てしまうと、「成長ホルモン」の分泌が阻害されると言われています。本来、寝ている間は成長ホルモンが十分に分泌され、代謝がアップしたり、細胞の修復が行われたりします。

寝る前の間食も控えましょうね。

ただ、体の状態によっては寝る前に消化の負担のかからない、プロテインなどの飲み物を飲むことはしてもよいかもしれません。

食べた後すぐに眠ることにならないように、夕食の時間を工夫しましょう。

寝る2時間前にお風呂に入る

あなたは毎晩、ゆっくり湯船につかっていますか?

仕事に家事に忙しくて、さらに疲れていると、ついシャワーで済ませたくなりますよね。

僕も1年ちょっと前までは、お風呂に入る習慣がありませんでした。

夜はそのまま寝て、朝にシャワーを浴びて、勤務先に向かうことがほとんどでした。

たまに温泉に入るぐらい。

ですが、お風呂に入るようになると、つぎの3つを強く感じることができるようになりました。

お風呂に入るようになってから実感したこと
  • お風呂に入るとすごくリラックスできる。そしてピンとアイディアを閃くことも!
  • すぐに寝付くことができ、熟睡できるようになった
  • 次の日の朝、スッキリ目覚めることができるようになった

不思議なもので、お風呂に入ってから1時間半〜2時間ぐらいでちょうど、心地よい眠気に襲われるのですね。

体感的には副交感神経のスイッチを入れるのに、『入浴』は最も効果があるのではないかと思います。

今までお風呂に入る習慣のなかった方は、寝たい時間から逆算してお風呂に入るといいですよ。

寝る前にストレッチをする

あなたは普段、ストレッチをする習慣はありますか?

今までやっていないなら是非、習慣として取り入れましょう!

入浴後のストレッチがすごく有効です

体感された方もいらっしゃると思いますが、入浴後は血行が良くなり、体も柔らかくなっています。

普段、ストレスや疲労で硬くなった筋肉もゆるみます。

入浴後のストレッチで、副交感神経のスイッチがさらに入ります。

ちなみに、僕はこの入浴、ストレッチの習慣でガチガチに硬かった体が以前より柔らかくなりました。

さらに、小さい頃から患っていた『脊柱側弯症』の程度が改善しました。

このストレッチの方法、側弯症の改善については、別の記事にまとめる予定ですので、楽しみにしていてくださいね。

背骨、骨盤などが歪んでいると自覚していたり、指摘されたことがある方は、ぜひ改善に取り組みましょう。骨格の歪みも万病の元です。

寝る1時間前には部屋を暗目にする

こちらもすごく大事ですね!

眠くなくても、部屋を暗めにしていると、だんだん眠くなってきませんか?

部屋の明かりをつけたままだと、脳や体はなかなか「寝る時間が近い」ということを認識してくれず、眠気も起きづらくなってきます。

豆電球でもよいですが、僕は「読書灯」を使っています。

詳しくは次章で解説しますね。

寝る前に読書をする

疲れているのに読書?って思われますか?

もちろん読書をする時間も確保していただきたいのですが、あくまで熟睡するための『読書』です。

読む本の内容も、続きが気になってしょうがないようなストーリー性のあるものじゃない方がいいでしょうね。

ちょっと読むのがハードルの高いような本ですね。

何かの教科書などでもいいでしょうね。

僕だと数学の本とか、プログラムの本とか読むと、10~15分ぐらいでカクッと寝てしまいます。

本を読むことも大事ですが、このように睡眠導入剤のような働きもしてくれます。

ぜひ有効に役立てましょう!

読書をする際に、豆電球だと字が見えづらいかと思います。

そこで役立つのが読書灯です。

今はクリップで固定するタイプのライトが多く、設置する場所を選びません

調光することができ、使用用途により変えられます。

お近くの家電量販店などで探してみてくださいね。

睡眠の質を下げてしまう行動5つ

ここまでは睡眠の質を上げる行動について解説してきましたが、ここからは『睡眠の質を下げる』行動についてお話しします。

いくら睡眠の質を上げる行動をとっても、睡眠の質を下げてしまう行動を取ると、かなりのマイナスになります。

睡眠の良し悪しは日常生活の総合点数で決まります。

ぜひ、マイナスになる行動もしっかり理解していきましょう。

睡眠の質を下げてしまう行動は次のようになります。

睡眠の質を下げてしまう行動
  • カフェインを含む飲み物、食べ物を摂りすぎてしまう
  • 夜に激しい運動をしてしまう
  • 夜ご飯を食べすぎたり、寝る前に間食をして、満腹の状態で床に入ってしまう
  • 寝る前にブルーライトを発する画面を見てしまう
  • 寝る前にアルコールを摂取してしまう

それぞれについて解説していきます。

カフェインを含む飲み物、食べ物を摂りすぎてしまう

コーヒーを含むカフェインについてのメリット・デメリットは、このブログを始めた当初に記事にしました。まだお読みになっていない方は、まずはこちらをご覧ください。

カフェインを摂ると、全然眠れなくなる人と全く影響がない人がいます。

これはカフェインに対する感受性の違いによるものです。

あなたはどちらのタイプですか?

ちなみに僕はカフェインに非常に敏感です。l

僕がカフェインを摂って問題がないのは午前中だけです。

一般的には、6時間ほどでカフェインは代謝されるので、寝る6時間前以降は避けましょう、と言われています。

カフェインについて、僕は辛い過去があります・・・。

初回の大学入試センター試験を受ける前日、つい夜遅くに自販機の紅茶を飲んでしまったのです。

すると、一睡もできなくなってしまい、ほぼ徹夜でセンター試験を迎える羽目になってしまいました。

もともと腸の調子がよくなったこともあり、試験中は最悪のコンディションで集中できませんでした。

予想通り、センター試験は大失敗で浪人がほぼ決定してしまいました。

あなた自身はもちろん、これから受験を迎えるお子さんについても、注意を払ってあげてくださいね。

チョコレートに入っているカカオにもカフェインが含まれていますので、間食として摂取する場合も注意しましょう。

夜に激しい運動をしてしまう

こちらはすでに説明済みですね。

個人差はあるかと思いま

すが、暗くなってからの筋トレやスポーツは避けた方が賢明です。

ゆったり目のお散歩ぐらいなら影響は少ないでしょう。

満腹の状態で床に入ってしまう

こちらも解説済みですね!

寝る前にブルーライトを発する画面を見てしまう

こちらは盲点になりやすいことかと思います。

「ブルーライト」ってご存知ですか?

ブルーライトとは、テレビ、パソコン、スマホなどから発する「青色系」の光のことを言います。

ブルーライトは、睡眠を誘発するホルモンである「メラトニン」を阻害すると言われています。

睡眠障害のある方は、一刻も早くブルーライトの害を緩和すべきです。

具体的には、部屋の明かりと同様に寝る1時間以内にはブルーライトを発する画面はそばに置かない方がいいです。

また、緩和する方法としては、iPhoneをお持ちの方は「Night Shift」という設定で画面上のブルーライトを抑えることができます。

また、最近はメガネでも「ブルーライトカット」機能を持つレンズを装着することができます。僕もそのメガネを使用しています。ですが、体感的にはよくわかりません。

ブルーライトを緩和する方法3つ
  1. 寝る1時間前から、ブルーライトを発する画面を見ない
  2. スマホのブルーライトを抑制させる機能を使う
  3. (メガネを使用の方)ブルーライトカットレンズを使う

寝る前にアルコールを摂取してしまう

寝る直前にお酒を飲んでしまうという方、けっこう多いのではないでしょうか?

または、「お酒を飲まないと寝付けない」ということで寝酒が習慣となってしまっている方も多くいらっしゃると思います。

確かに、お酒を飲むと寝つきは良くなると思います。

しかし、高い確率で夜に目が覚めてしまいます。

理由は『眠りが浅い』からです。また、尿が近くなって、トイレに行きたくなるからですね。

お酒を飲むと、レム睡眠が増えて、体の休息にとって大事な『ノンレム睡眠』が減ってしまいます。

要するに、夢を見てしまうぐらいの浅い眠りにしかならないということですね。

そうすると、当然、体の疲れが取れにくくなります。

あなたも飲み会などでお酒を飲みすぎた時は、次の日はどっと疲れた感じがしませんでしょうか?_

このように、アルコールは睡眠にとってデメリットが大きいものなのですね。

どうしても飲みたいという方は、次のようなことを気をつけてみてください。

アルコールとの上手な付き合い方
  • 毎日飲まない。
  • 寝る3時間前からは飲まない。
  • 食事と一緒に飲むようにする。
  • ナイアシンを摂取する(アルコールの代謝を助ける)

夜間低血糖について

睡眠障害を起こしている方の中に、「夜間低血糖」を起こしている人が少なからず、いらっしゃいます。

そして、おそらく低血糖だと気づいている人は少ないでしょうね。

冒頭で「この記事を読むべき人」の症状の中に、夜間低血糖の可能性を示すものがいくつかあります。

冒頭の示した症状の一部
  • 必要以上に朝早く、目が覚めてしまう
  • 朝起きても疲れが取れておらず、起きたくない
  • 寝ている時に歯ぎしりをしてしまう
  • ひどく寝汗をかく
  • 悪夢を見る

このうち一つでも該当する症状がある人は、普段の食事を見直してみましょう。

小麦から作られる食べ物、砂糖など血糖値の変動を起こしやすいものを夜に食べると、反動で4時間ほど後に低血糖を起こすことがあります

低血糖になると交感神経が異常に興奮しますので、上記のような症状の他に、心臓や脳の血管にも大きな負担がかかります。

命に関わることもありますので、この機会に再チェックしてみましょう。

悪夢を見やすいのは、夜間低血糖のほかにビタミンB6不足の方もいます。

さいごに

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

睡眠のクオリティを上げるためには、たくさんのことに気をつけなくてはいけないことを御理解いただけましたでしょうか。

睡眠薬に頼らず、睡眠のクオリティを上げる工夫を日頃から継続していただけると幸いです。

そのことが、あなたの健康度をグンとアップさせてくれること間違いなしです。

それでは、またお会いしましょう。

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