いつも暖かいストーブの前に座っているから、風邪引かないニャ。
よく風邪を引いてしまう、なかなか治らない・・・などでお困りのあなた。
普段、どんなことを心がけていますか?
風邪薬を飲む、体を温める、よく寝る、病院に行く・・・etc
どれもそれなりに効果はありそうですが、即効性はあまりなさそうですよね。
すでにおわかりかと思いますが、病院で処方される「風邪薬」は特効薬ではなく、鼻水、頭痛、発熱、咳などの『症状を和らげる』効果しかありません。
漢方薬は症状と体質に合った薬を飲めば、早めに風邪を治せる可能性はあります。
それと、よく「栄養を摂りましょう」って言われませんか?
確かに、栄養は重要です。
しかし、栄養は時と場合によって薬にも毒にもなるということを、心得ましょうね。
そのことも、あとで詳しく解説します。
まずは、風邪って何なのかを確認していきましょう。
↓初めての方は自己紹介ページをご覧くださいませ。
目次
そもそも、風邪って何なの?
「風邪」っていう言葉を普段何気なく使っていると思いますが、そもそも何なんでしょうか。
医学的には「感冒」とか「急性上気道炎」と表現されます。
インフルエンザはやや重症の風邪症状を起こしますが、一般的には「風邪」とインフルエンザは区別します。
風邪を引くと、鼻水が出たり、体がだるくなったり、熱が出たりしますね。
「風邪」はウィルスが感染することによって起きる「上気道」の炎症です。
上気道とは、鼻や口から空気が入って気管まで到達する間のルートのことを指します。
なお、「食道」は食べ物が通過するところですので、上気道には含まれません。
上気道の概要を図に示します。
炎症がどこで起きるかで症状が変わってきます。
- 鼻腔→鼻水、鼻づまり
- 咽頭→イガイガする、のどの痛み
- 喉頭→乾いた咳、声が嗄れる
- 気管→咳が出て、痰が絡んでくる
気管のさらに奥の気管支まで炎症が及ぶと、夜寝られないぐらいの激しい咳や、どろっとした粘っこい黄色〜緑色の痰が出たりします。
この状態が『気管支炎』です。
気管支炎になってしまうと風邪のようには簡単に行きませんので、病院に受診することをお勧めします。
また、風邪は万病の元と言われます。確かに風邪にかかると体が弱りやすくなりますので、大病を起こす引き金になることがあります。
風邪を引かないのが一番ですし、風邪を引いたとしても数日で治したいものですよね。
ご高齢の方が「風邪っぽい」とおっしゃる時は要注意です。風邪ではない重症の病気が潜んでいる場合がありますので、なるべく病院を受診させるようにしましょう。
風邪の時に解熱剤を飲んでいいの?
風邪を引いた時に熱が出てしまうと、体がつらいですよね。解熱剤を飲むと楽になりますね。
「解熱剤を飲むべきか、否か」ということは、人によって意見が異なり、ものすごく議論が起きやすいことかと思います。
お子さんに解熱剤を飲ませるかどうかも、悩むことがあると思います。
医師の中でも、解熱剤の賛成派、反対派にはっきり別れています。
僕は賛成も反対もしませんし、希望する患者さんには解熱剤を処方しています。
ですが、僕自身は「解熱剤は飲まない」ことにしています。
確かに解熱剤を飲まないと熱が上がり続けることがあります。
発熱に関しては、41.5℃以上出ない限り、人体に直接の悪影響はないと言われています。
あなたは、「この熱は何のために出ているのだろう」と考えることはありませんか?
「発熱」はウィルスに対抗するための力なんですね。
体温が1℃上がることで、免疫力は5〜6倍になると言われています。
せっかく上がった免疫力を解熱剤で低下させてしまうのは、もったいないと思いませんか?
もちろん、発熱が命に関わる病気から生じている可能性もまれにありますので、慎重に判断しましょう。
特に平熱が36℃以下の方は免疫力が低い傾向にあります。筋肉量が少ないと平熱が低くなる傾向にありますので、スクワットなどで筋トレをやりましょう。
風邪の時は栄養をたくさん摂るべき?
病気で病院にかかった時に、「栄養をたくさん摂ってくださいね!」って言われたことありませんか?
確かに病気の時は栄養をたくさん摂れるに越したことはないです。
熱が上がったり、つらい症状が出るだけでも、相当なエネルギーを消費します。
風邪を引いた後って、ほとんどの場合、体重が減りませんか?
それだけ体内に蓄えられていたエネルギーを消耗してしまうんですね。
風邪を引いた時に、食欲がある人と食欲がなくなる人に分かれると思います。
僕は食欲がなくなるタイプです。
あなたはどちらですか?
これは、生まれつきの体の強さが関係してきます。
風邪を引いた時に、体は全力でウィルスを排除しようとします。
普段消化に使われるエネルギーも、ウィルスを排除する方に回されます。
そうすると、胃腸は普段の元気さはないわけです。
食欲が落ちるのは当然のことです。
無理して食べてしまって、吐いたり下痢したりした経験はありませんか?
それは胃腸のエネルギー不足から来る症状です。
かと言って、何も口にしないと筋肉のタンパク質が栄養として奪われてしまう恐れがあります。
参考までに、僕は風邪を引いた時は酵素ドリンクを飲むようにしています。
消化にエネルギーを使うことなく、風邪を治すことに専念できます。
風邪を引いた時も、「体との対話」を忘れないようにしたいものですね。
風邪は予防が第一!
それでは、風邪を予防するにはどうすればよいでしょうか?
風邪を引きやすい方は、ストレス過多になっていたり、栄養バランスが崩れている場合が多いです。
まずは普段から風邪を引きにくい体づくりをしていきましょう。
ポイントを挙げてみます。
- 栄養を整える。特に糖質過多にならないように(麺類やパンに偏らない)。
- 良質な睡眠を取る(7~8時間、朝までぐっすり!)
- 適度な運動(スクワットで下半身を鍛えましょう!)
- ストレス解消(食べることに走らないように!)
- 日光を浴びる(ビタミンDを合成!)
どのポイントもすごく大事です!
それぞれ、近いうちに記事にしますので、今は概要だけご理解くださいませ。
特にビタミンDは非常に奥が深いですので、より良く知っていただきたいです。
それでは次に風邪を引いた時にお勧めの漢方薬を紹介します。
風邪を引いた時におすすめの漢方薬5つ
あなたは風邪を引いた時に漢方薬を飲んだことがありますか?
僕は昔はよく風邪を引き、いろいろな漢方薬を飲んだものです。
西洋薬には「風邪の治りを早くする薬」はありませんが、漢方薬には風邪に使える漢方薬が多くあります。
漢方薬は「自然治癒力」を高めて、風邪の治りを早くするのですね。
それでは風邪に使える漢方薬の一部をご紹介します。
風邪の漢方薬と言えば、『葛根湯』が有名ですよね。ただ、万能とは言えない薬です。
効くのは風邪を引いたごく初期のみ。
「肩が張る感じ」「鼻水がだけが出る」時に効果が発揮されます。
「のどが痛い」、「咳が出る」ような炎症が局所に起きた症状が出ると、葛根湯を飲んでも効果は発揮されません。
風邪以外だと、肩凝りに割と効く印象があります。
こちらはインフルエンザに効く薬として有名になりました。
筋肉痛や関節痛が目立つ時に効果を発揮します。
インフルエンザにかかった時に飲む時は2時間おきぐらいに頻繁に飲まないと効果を発揮しにくいです。
「鼻詰まり」にも効果を発揮します。
こちらはやや虚弱な方に合う薬です。
風邪を引いても熱は出ないけれど、寒気がひどかったり、寝込んだりしてしまう方。
配合されている「附子(ブシ)」というのはトリカブトから抽出されて無毒化されたものであり、体を温める作用があります。
割とファンが多い処方です。
こちらもやや虚弱な方に合う薬で、主にご高齢の方です。
風邪を引くと、すぐに汗をかくタイプ。
体力のある人は、熱が上がってから大量に発汗することが多いです。
こちらの薬が合うのは発汗する力が弱い方です。
この中では一番マイナーな薬かもしれません。
漢方薬の中では「総合感冒薬」と言える薬です。
激しい症状はないけれど、鼻水が出たり、のどが痛かったり、咳が出たり。さまざまな症状が出ている人に合います。
風邪に使える漢方薬、他にもたくさんあるのです。
今回はすべてを紹介しきれないので、またの機会に。
次はいよいよ、今回、最もお話したかったことをお伝えしていきます。
漢方薬の効き方は個人差が大きいです。効く人は非常に効きますし、効かない人は全く効きません。ご自分の経験と照らし合わせてみてください。
明日からできる!手軽に普段から風邪を予防する簡単な方法
そうは言っても、風邪を引きにくくする体づくりは一朝一夕とはいかず、少なくとも数ヶ月はかかるでしょうね。
ですが、一つだけ今すぐにでもできる手軽な方法があります。
それはビタミンCを毎日摂ることです。
ビタミンCの主な作用は次の3つです。
- 抗酸化作用(体の酸化を防ぐ還元作用)
- 皮膚のコラーゲン合成を助ける(肌を整える効果)
- 消化管内での鉄の吸収を助ける
ビタミンCが風邪に効くって、よく言われますよね。
ビタミンCの抗酸化作用によって風邪を予防したり、重症化を防いだりする作用があります。
風邪を引いた時はみかんを食べる!という方もいらっしゃることでしょう。
みかんを食べた場合、どのくらいのビタミンCが摂れるでしょうか?
みかん100g中のビタミンCは【35mg】
※ ピーマンやブロッコリーなど、よりビタミンCの含有量が多い野菜はあります。
文部科学省「食品成分データベース」2020年版より
130gのみかんを3個食べたとしたら136.5mgのビタミンCが取れます。
このビタミンCはどれだけ役に立つのでしょうか?
厚生労働省が推奨するビタミンCの所要量(最低限必要とされる量)は1日100mgです。
確かにみかんを3個食べれば、最低限のビタミンCは確かに摂れます。
でも、それだけで風邪が予防できるでしょうか?
炭酸飲料のC-Cレモンには1000mg入っていますよね。サプリメントは1粒500mgのものが多いようです。
ということは、1日100mgでは足りないことが経験的にわかっていることを表していますね。
このビタミンCの体内での働きを実際に検証しているのがオーソモレキュラー(分子整合栄養医学)です。
米国のHelen Saul Case先生は、その著書(『ORTHOMOLECULAR NUTRITION FOR EVERYONE』)の中で、『ビタミンCのおすすめ摂取量』を紹介しています(AmazonのKindleで原著を読めます)。
これがまた、ビックリの摂取量なんです!
でも9000人以上の患者さんに使用してきたとありますから、信憑性がありますね。
そのHelen先生の著書の中で、ビタミンCに関する詳しい記述があります。
- 元気な時、健康増進のため 4g〜10g /日
- 軽い風邪 30g〜60g /日
- 症状の重い風邪 60g〜100g/日
- インフルエンザ 100g〜150g/日
- その他の病気に関する記載も多数
ものすごい量ですよね!今までのビタミンCの摂取量の常識とはケタ外れですね。
インフルエンザに関する記載もありますが、インフルエンザは特効薬がありますので、ビタミンCに頼る必要はないでしょうね。
普段の風邪の予防や、軽い風邪の時に使用しても良さそうですね。
僕は健康増進・風邪予防のために1日4g程度のビタミンCを摂取しています。2gを2回に分けて飲んでいます。
でもちょっと待って。
1日4gのビタミンCって、どうやって飲むのでしょう?
サプリメントはほとんど錠剤で売られていますので、4g飲むとなると、500mgのものを8つも飲まないといけません。
それも、口の中に入れると錠剤が溶けてきますので、錠剤同士がくっついて飲めなくなってしまいます!
1個ずつ、錠剤を8回も飲みたくないですよね。
そこで、僕はビタミンC(アスコルビン酸)の粉末を使用しています。
風邪を引いた時など、体調が悪い時は多く飲むようにすればよいと思います。
多く飲む時は、1日2回ではなく、4~6回などこまめに飲むようにしましょう。
次に飲む方法についてです。
ご存知の方も多いと思いますが、「ビタミンC」は酸っぱいです。そのまま水に溶かして飲めなくもないですが、けっこうきついです。
ですので、何か飲み物に混ぜて飲むのがお勧めです。
僕は朝・夜とプロテイン(カカオ味)を飲んでいますが、プロテインにビタミンCを混ぜて飲んでています。
そうすると、ビタミンCの酸味はほとんど気になりません。
ミルクココアなどとも相性がいいと思います。
ビタミンCは先ほどお伝えしたように、風邪の予防に役立つだけでなく、皮膚のコラーゲンの合成も助けます。
また、『水道水の塩素を中和する』働きもあり、お風呂の塩素が気になる時もスプーン1杯のビタミンCで塩素が除去できます。
これらのことから、ビタミンCは万人向けのサプリメントとも言えます。
水溶性のビタミンですので、たとえ飲みすぎたとしても、尿から排出されるか下痢しますので、蓄積することはありません。副作用の心配もありません。
一つの目安として、「下痢しない程度のビタミンC」があなたに必要な量といってもいいでしょう。
「メガビタミン療法」で有名な藤川徳美先生の著書にもビタミンCについて、詳しく書かれています。
普段、飲み慣れていない方は、少な目の量から始めるといいです。
あなたも毎日の習慣として摂取してみてはいかがですか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
普段、風邪を引きやすくて困っている方。本当に困りますよね。そんなあなたにお届けする内容です。